“美容迷子”安彦麻理絵&大久保ニューのスキンケアを、化粧品開発者・尾崎幸子が一刀両断!!
――女にとっての麻薬・美容。「きれいになりたい」という切望感から、“美容沼”に足を踏み入れたら最後。ありとあらゆる魅惑的なコスメの数々や、美の都市伝説に踊らされ、ズブズブとその深みにハマり、「結局、どんなコスメやケアが私に合ってるの?」「っていうか、私にとって美ってなんなの!?」と迷子になってしまう女もいるだろう。今回は、そんな“美容沼”に肩まで、いや、もはや頭上まで入り込んだマンガ家・安彦麻理絵氏と大久保ニュー氏、そして連載「コスメ種あかし」でおなじみの尾崎幸子氏が鼎談を開催。安彦、大久保両氏の“私の美容法”を、尾崎氏が“化粧品開発者”の視点からズバリ一刀両断する。
<座談会参加者プロフィール>
安彦麻理絵……46歳、マンガ家。手を出してないコスメはないほどの美容フリーク。かつては「デパ1の女王」と呼ばれるほど、デパート1階の化粧品売り場のコスメを端から端までチェックするほどの美容オタクだったが、結婚・出産を経て、また違った美容を模索中。
大久保ニュー……45歳、マンガ家。若い頃よりアトピーや敏感肌に悩み続けた、新作コスメに片っ端から手出しするようなことはなかった美容コンサバティブ。ココイチの気合コスメは「SK‐II」。ビジュアルのいいコスメを愛でることも好き。
尾崎幸子……化粧品開発者。今でこそ的確な審美眼を持ち、美容を仕事にしているが、若いときはそれなりに失敗も。今回の座談会のジャッジ役。
■宇野千代にあこがれて手に取ったオリーブオイル
――まずは安彦さんにお聞きします。現状のお手入れ法で“これぞ”と力を入れているものはありますか?
安彦麻理絵氏(以下、安彦) 私は今まで、ホント~にいろいろなコスメを試してきたのですが……。もうコスメだったら、「どんだけビッチか」ってほど取っかえひっかえ。でも最近は、原点回帰したといいますか、「オリーブオイルを塗るだけ」というのをやっています。「小豆島のオリーブオイル」を愛用していた、宇野千代を美容の師匠に(笑)。海外セレブや美容家を巡り巡って、宇野千代(笑)。で、このオリーブオイル、確実にぬめっとするんですけど、これって保湿力はあるんでしょうか?
尾崎幸子氏(以下、尾崎) まず、オイルがどの種類であれ、オイルの効果は「水分の蒸発を防ぐ」「肌が水を抱える量を増やす」の2点なんです。なので、肌自体の水分アップはしません。いわゆる「ラップをする」効果は高いのですが、それはイコール保湿ではないんです。
安彦 そうなんだ! やだ~宇野千代(笑)。肌がきれいな人のお手入れ法って、本人の元からの資質も大きいとは思うんだけど、ついつい真似したくなっちゃうんですよね。あと、有名人の名前に弱いというか、かつて全然ファンでもないのに「マドンナが愛用」というコスメを買ったこともありますよ。
尾崎 オイルの前に、どれだけきちんと肌に水分を入れたかが重要ですよね。多分、オイルだけケアでOKな方は、本来ご自身が持っている保水力が高いんだと思います。洗顔後肌が突っ張る気がするなど、普通に乾燥を感じる方は、最初の水分を加えるプロセスは外せないです。
安彦 なるほど。あとメイク落としなんですけど、石けん洗顔をしない、要は乳液などでメイクを馴染ませて洗い流して終わり、っていう方法を試していたのですが、口コミでの評判はいい割に乾燥対策にならず……。