『27時間テレビ』の“白人差別Tシャツ”騒動から透けて見える、フジテレビのヤル気
――毒舌コラムニスト・今井舞が、話題のアノ人物やアノニュースをズバッとヒトコトで斬り捨てる!
◎「HONKI」にしておきゃよかった
「何をやっても叩かれる」という現状を逆手にとって、それをある種の免罪符にしようとしているフジテレビ。しかしあのTシャツ問題は、他局では絶対起きないであろう。叩かれても仕方ない。
昔は『27時間テレビ』って、バカ騒ぎが得意なフジテレビの、局を挙げてのイベントだったのに。「今年はこんなTシャツでーす」「へーどれどれ」って気運がまず局内にまったくなかったってことだもんなぁ。羹に懲りて膾を吹くように、来年はタレントとかにデザイン依頼で問題回避を図るんだろう。……来年やるのか?
◎細部に宿る
史上最低の視聴率だった『FNSうたの夏まつり』(同)。「歌の天下一武道会」色がなくなってからは、アイドル客向けに、ただメリハリのない画面が長時間続くだけの寿限無のような番組になり下がってしまった。あーあ。何でうまく行ってたモノまで壊すんだろ。
何かネタないかとチャンネルを合わせたものの、最初に映ったMCの挨拶で、進行役の軽部真一アナが浴衣姿で映った瞬間に見る気喪失。あそこで「浴衣に蝶ネクタイ」だったら見たんだけどな。そういうとこ、大事。結果的に、見ないで正解であった。
◎窮屈なテレビ
スポンサーへの配慮で、登場人物たちが「LINE」をするシーンを描かないという不自然が多発しているドラマ群。日本のテレビドラマだけ、また妙なガラパゴス化が進んでいくんじゃないだろうか。『表参道高校合唱部!』(TBS系)なんて、今時の高校生が、授業中に手書きの手紙回し読み。しかし番組HPでは、登場人物のLINEスタンプを発売中。節操はないのか。
今井舞(いまい・まい)
週刊誌などを中心に活躍するライター。皮肉たっぷりの芸能人・テレビ批評が人気を集めている。著書に『女性タレント・ミシュラン』(情報センター出版局)、近著に『気になる「あそこ」見聞録』(新潮社)がある。