カルチャー
[女性誌速攻レビュー]「CLASSY.」8月号

「CLASSY.」のカジュアル路線が男にもたらした、「誘いやすい!」と「やる気ない?」の逡巡

2015/07/11 16:00
「CLASSY.」2015年8月号(光文社)

 「CLASSY.」今月号の特集「暑い夏、『楽ちんオシャレ』を極めよう!」の前に、SMAP木村拓哉のインタビュー「木村拓哉がどんな時でもカッコいい理由」を紹介します。映画『HERO』の宣伝を兼ねての登場ですが、なんともすごいタイトルをつけられたものです。

 しかし読んでみるとすごいのはタイトルだけではありませんでした。「Q 日本を代表するスターとして、一番大切にしていることはなんですか?」というちょっとした嫌がらせレベルの質問にも、「僕はオフィシャルもパーソナルも変に区別化してないですね。見え見えのオフィシャルというか、“こういうことしか言わないんでしょ”みたいなのは嫌だし(笑)」とキムタク節で返す。やっぱ日本を代表するスター!!

 「Q 一番幸せを感じるときは?」「撮影現場で、今、目の前で起きていることを勝手に映画のスローモーションみたいにしたくなるとき」、「Q CLASSY.世代の女性に最も大切にしてほしいことは?」「取りつくろうところがまったくない、制限のない笑顔というか、“腹筋がつる一歩手前”くらいの笑顔」……相変わらずインタビュアーの2、3歩先行く斬新なコメントをしてくれるキムタク兄さん。毎号オンナのメイクやファッションにちまちまダメ出しする「CLASSY.」男子たちよ、「日本を代表するスター」なんていうヤバい神輿にもちゃんと乗っかってくれる兄さんの懐の深さを見習いたまえ!!

<トピックス>
◎木村拓哉がどんな時でもカッコいい理由
◎特集 暑い夏、「楽ちんオシャレ」を極めよう!
◎「誘いやすい!」と「やる気ない?」の境界線を考える

■さらに外套を着てたら、森鴎外の「舞姫」の住人

 さてキムタクインタビューに続きまして、特集「暑い夏、『楽ちんオシャレ』を極めよう!」を見てみましょう。「タイトな服に無理やり体を押し込んだり、不自然なほど細くて高いヒールを履いて痛さを我慢してみたり。ただでさえ暑いこの季節、そんな頑張りすぎのスタイルはそれこそ暑苦しいし、何よりオシャレに見えません」と、リードから“タイトなジーンズにねじこむ 私という戦うバディ”でおなじみのBoAを全否定。“オシャレは我慢”とはあの小泉今日子(※ピーコ説もあり)の名言ですが、“こなれ”ブームの昨今においては、オシャレのためになにかを我慢する方がまったくイケてないということです。

 この特集で紹介されているアイテムは、スリッポンやビーサンなどのペタンコ靴、「ゆるシルエット」と称される大きめサイズのシャツ、ボトムスは安定のウエストゴム。真夏に“タイトなジーンズの戦うバディ”がもてはやされたら汗腺が死亡しそうですが、このゆるシルエット系スタイル、一歩間違えればムームーに網サンダルを履いた路地裏のおばちゃんになってしまう可能性大。持って生まれたスタイルとセンスの良さが試されてしまう、過酷なブームでもあると思います。だからこそ女性誌の出番ともいえますが。

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