『ザ少年倶楽部』のMr.King vs Mr.Prince「勝つんだWIN!」に宿った、底知れぬ魅力
今回ツッコませていただくのは、7月1日放送分『ザ少年倶楽部』(NHK BSプレミアム)で披露した「Mr.King vs Mr.Prince」、通称「キンプリ」の「勝つんだWIN!」の新たなパフォーマンス。
この曲は、ジャニーズJr.の6人(平野紫耀、永瀬廉、神宮寺勇太、高橋海人、岩橋玄樹、岸優太)が『テレビ朝日・六本木ヒルズ夏祭り SUMMER STATION』の応援サポーターに就任する前からSexy Zoneのコンサートや、Jr.の公演『ジャニーズ銀座』のクリエAなどで披露されていたもの。
だが、この日はこれまでと構成を大きく変えたことで、視聴者たちの間で話題となっていた。一番大きな変化は、冒頭の岩橋玄樹の「尻ふり」。客席に背を向け、腰を存分にくねらせて大きなお尻を振り回す様は、ちょっとストリッパーのようでもあり、扇情的で、ファンの間では「神回!」「息が止まるかと思った!」などと絶賛されていた。
その一方で、やりすぎパフォーマンスには批判もあり、「気持ちが悪い」等の意見も続出。賛否両論の「大反響」ぶりには、「第21回Myojo Jr.大賞2015」の「恋人にしたいJr.ランキング」1位の貫禄が見られた。岩橋のスゴイところは、熱狂的なファンと同時に、Jr.にしてすでに相当数のアンチも獲得しているところだと思う。いずれにしろ気になって仕方ない人が多いというのは、何か特別なものを持つスター性だろう。
そして、この日のパフォーマンスを見て、初めてユニット名の「VS」に意味があることを感じた。ちなみに、『SUMMER STATION』の「キンプリ」が登場する特別公演以外は、対決方式になる予定。特別公演の内容はまだわからず、ただのコンサートの可能性もあり、ユニット名が発表されたときには「名前が長すぎる」「なんでVS?」という声も多数聞かれた。
しかも、ジャニー社長のお気に入りとされる平野、永瀬、高橋による「Mr.King」と、神宮寺、岩橋、岸による「Mr.Prince」とでは、キングのほうが明らかに衣装も豪華で、すでに格差が感じられる。だが、この日のパフォーマンスの押しの強さ、「グイグイ前に行く」感は、プリンスのほうが上回っていて、全体の印象として一歩リードした感があった。
そう思うと、「勝つんだWIN!」の歌詞にある「前に前に」「上に上に」は、お気に入り勢力に対抗しようと踏ん張る「プリンス」派の気持ちともリンクするように見え、そこに物語が生まれてくる気がする。
「簡単にデビューさせない」とジャニーさんは言っているようだが、彼らの切磋琢磨がいよいよ始まったことを感じる新しい「勝つんだWIN!」。まだまだ小粒の彼らだが、この夏、大きく成長してくれることに期待したい。
(田幸和歌子)