「後悔しています」10年の婚外恋愛が発覚、そして離婚に至ったアラフィフ女性の孤独
初めて出会った日に連絡先を交換し、次は2人だけで食事。お酒に強い智美さんが酔った振りをしてしなだれかかると「わざとらしい演技だね」とかわされてしまった。
「今思い出すと、ひと昔前の恋愛ドラマみたいですよね。でも、あの頃が一番楽しかった……婚外恋愛でもなんでも、始まる前が一番ドキドキしません?」
仕事もバリバリこなし、子ども2人を育て、恋愛もする――目が回りそうな忙しさだなと思ってしまうが、フットワークの軽い智美さんにとってはお手の物だった。月に数回のデートを経て、ようやく彼は智美さんの手中に落ちる。
「半年かかりました。私もよくやるなあと、当時を振り返ると呆れます。彼とそういう関係になる前も、よく仕事関係や友人たちと飲みに行っていましたから、最初の数年間は夫も気づかなかったと思いますよ」
彼と結ばれたときには、ご主人とはとっくにセックスレスで、「夫とセックスするなんて気持ち悪い」と吐き捨てていたという。
「彼も決して上手な人ではないんですけど……でも、やっぱり気持ちよかったですよ。男の人に抱きしめられる安心感って、言葉じゃ説明できませんよね」
いつの間にか一家の大黒柱になっていた智美さんにとって、職場も家庭も、心が癒やされる場所ではなかった。彼女が弱音を吐ける場所は、彼の前だけ。それから10年近く、デートは月に一度あるかないかだったが、その分毎日のメールでお互いの気持ちを確認し合っていたという。
「彼は顔を合わせると、ほとんどしゃべらないんですけど、メールでは結構ストレートに思いを伝えてくれる。好きだよ、とか、愛してる、とか……。彼からの言葉に何度も助けられました」
■消し忘れたメールから婚外恋愛が発覚
しかし、そんな幸せも長くは続かない。ご主人に、携帯電話を見られたのだ。
「当時はガラケーだったので、ロックをかける習慣がなくて。もちろんそういった機能はついていたんですが、彼とそういう関係になってから急にロックするのも夫に怪しまれそうだったし、無防備な方が夫も安心するかなと思って……予想は簡単に破られましたけど」
普段から彼とのメールは全て消去していた智美さんだが、その日に限って、消去する前に見られてしまった。