「婦人公論」“夫とはやっていけない”特集は、行間にこそ真実が宿っている……
浮気、借金など「やっていけない」理由は数あれど、やはり最も多かったのが「モラハラ」と呼ばれるもの。そしてモラハラと言えば、最近話題になったのがモノマネ四天王の栗田貫一です。バラエティ番組出演時に妻を「お前」と呼んだり、「殺していい?」「死んでくれる?」などの暴言を吐いたりしたことがネットで大騒動に。そんな栗田のモラハラの“被害者”とされた妻・大沢さやかが満を持して登場しています。「夫・栗田貫一は、『暴君』ではありません」。
「亭主関白VS愛妻家」という企画趣旨をくんだ栗田が「番組をおもしろくしようとサービス精神を発揮して、いつもより大げさな態度をとったり、言葉の調子を強めたり、求められていることを察知して動いたりということを、ごく自然にやっていました」と大沢。また自分たちを「昭和の夫婦」と称し、「相手が自分よりはるかに大人で、強くたくましい場合、どうしても男の人が上にいて、女性がそれに従うという関係になりますよね。今の若い人から見たら、古風にうつるかもしれませんが、私にはこういう夫婦の形が心地よかったし、守られているという安心感もありました」。お米の研ぎ方も知らなかったというお嬢様の大沢に「私のいたらないところに対して、主人は文句を言ったり怒ったりするのではなく、一から教えてくれた」という栗田。夫婦の数だけ夫婦の形がある……その一言に尽きる大沢のインタビューですが、その関係性の向こう側に「今はただ、早くあの世へ……」があるのかもしれないと思うと、何とも言えない据わりの悪さを感じてしまうのも正直なところです。
■夫というのは、子どもができても変わらないもの!
続いて紹介したいのは、これまた「夫よ、早くあの世へ」特集……じゃなかった「もう夫とはやっていけない」特集内のインタビュー「柴門ふみ 浮気よりも許せなかったのは家族への無関心だった」。夫は『島耕作』シリーズ(講談社)で知られる漫画家・弘兼憲史、言わずと知れた人気漫画家夫婦です。弘兼もまた「育児に熱心な男は出世しない」といった発言が最近物議を醸したばかりの人物。ホント、イイとこ突きます「婦人公論」。
結婚後、弘兼は「俺の身の回りのことはしなくていいから、仕事に専念していいよ」と言うなど、「互いの仕事を尊重するフィフティ・フィフティの理想的な夫婦関係」だったと語る柴門。その関係が崩れ出したのが、子どもが生まれるあたりから。子どもを望む柴門と「自分に似た人間が存在するなんて気持ち悪い」と言い放つ弘兼。違和感を覚えつつも「実際に子どもができれば夫も変わるはずだ、と軽く考えていたのですけれど」。