サイゾーウーマンカルチャーインタビュー女子のファッションは誰のため? カルチャー 久世番子×曽根愛の「女子の洋服」対談 男ウケ、女ウケ、実家ウケ……久世番子×曽根愛の「ファッションは誰のため?」対談 2015/06/07 19:00 マンガインタビュー ――ちなみに20代はどんな悩みを抱えていたのでしょうか? 曽根 今以上に迷走しておりました。ナチュラルなのかモテなのか、ややボーイッシュなのか、服のテイストが全然決まっていなかったから、欲しいと思った服をすぐ買ってしまい、コーディネートも着回しも組み立てられずで。買った服に合う新アイテムを更に買いに走る“埋め合わせ地獄”。 久世 それ、私も覚えがあります! 要はふりかけばっかり買って、肝心なご飯を買ってない状態ですよね(笑) ――ファッションを選ぶ際に、異性だけでなく、同性の目は気になりますか? 曽根 最近は気にならなくなりましたけど、ちょっと裕福なお母さんが読む雑誌、例えば「VERY」(光文社)とかで、“保護者会や幼稚園の入学式にはこういうファッションだと幸せそうに見えます!”みたいな特集を見ると、結婚後にはそういうステージが待ち構えているのかと、ちょっぴり怖いですね。 久世 きっとあれは「お母さんモテ」や「実家モテ」目線。「男モテ」の次のフェーズですね。お母さん同士でモテるお母さんを意識しなきゃならないとは……、人間ってずっとモテなきゃいけないのかな!? まあそりゃ、やっぱりみんな愛されたいですよね。でもそれを服の購買意欲と結びつけたくない人だっている。もう“愛され”にはお金払えないですよ、私は。 曽根 自分が着ていて楽しくない服は着たくない。 久世 私はオシャレの川下の人間なんで「楽しい=オシャレ」にはなってないかもしれないけど……、自分の気分がアガる遊び心ってすっごい大切だと思うんです。最近は、手のこんだ刺繍とか、陶器でできたブローチとか見ると、「うぉ~!」となる(笑)。 曽根 昔はキラキラしたブローチをカワイイと思っていたけど、アラフォーになると昔はさっぱりわからなかった、枯れた感じのアクセサリーに惹かれるようになるんですよね。民芸品とか(笑)。 ――仕事服に関して言えば、今年の3月に、ルミネが作った広告動画が炎上した事件がありました。主人公の女性が男性同僚に、モテ系ファッションの女性と比較され「君と、職場の華である彼女とでは需要が違う」と言われ、反発すると思いきや逆に納得して「私も変わらなきゃ」と決意する展開が大不評でした。 久世 同僚にあんなこと言われたら、私はヘコみすぎてずっと泣いてますよ。ただでさえ私は、服に関しては、人からのアドバイスを自己否定に結びつけがちなのに……。 曽根 あれは労災認定される気がします(笑) 久世 いままで素敵な広告などで女性の心を鷲づかみにしてきた人気商業施設があの動画を作ったことが、みんなショックであれだけ騒ぎになったんでしょうね。あんなCMは90年代で終わったと思っていたのに、今見せつけられてビックリしたのかもしれません。 曽根 やっぱり少なからず炎上したってことは、いま職場では、みんなそういう意識で着飾っていないってことの現れだと思いますよ。 前のページ123次のページ Amazon 『神は細部に宿るのよ(1) (ワイドKC Kiss)』 関連記事 女子におけるファッションとは? 快楽と義務を描く『神は細部に宿るのよ』「あした、なに着て生きていく?」キャッチコピーが示す、女子の“気分”とファッションの“空気”結婚・モテのために男を立てる「昭和女」を、「CLASSY.」が激推し他者の目線を欲する「AneCan」の、“察してちゃん”ファッションが重すぎる!「服なんてそんなにいらない」若者たち、原宿ストリートファッションは本当に衰退したのか?