セレブママばかりが登場する、「VERY」の「みんな違って、みんなイイ」特集の怪
今月の「VERY」(光文社)の表紙には正直度肝を抜かれました。デカデカと「VERY世代は、みんな違って、みんな、イイね!」と書いてあるではありませんか。最近の「VERY」は、「多様性を認めよう」という傾向だとはなんとなく気づいていましたが、ここまで堂々と掲げられるとは。金子みすずかよ! とツッコミたくもなりますが、早速中身を見てみましょう。
<トピック>
◎VERY世代は、みんな違って、みんな、イイね!
◎離婚届もらいに行ったことありますか?
◎ママたちの、ヒール復帰プロジェクト
■これが「VERY」の自己肯定力!
「VERY世代は、みんな違って、みんな、イイね!」と言いながらも、実際の特集ページを見ると、ストレートに「多様化」や「ダイバーシティ」を取り上げているわけではないのが、「VERY」らしいところです。特集の最初には、次のように書かれています。
「女子大生のころ、雑誌に載っているモデルを見て、『○○ちゃんみたいになりたい!』なんて憧れていたけど、結婚して母になった今、VERYを見ても滝沢さんみたいになりたい!とは思わない。そうじゃなくて、滝沢さんもあんなに忙しいのにちゃんとキレイにしてる。私も頑張ろう!って思うんです」
つまり、「もはや誰かにあこがれるまでもなく、自分も滝沢さんも同じく価値があるんだ」ということを読者に伝える特集というわけです。「みんな違って、みんな、イイね!」という言葉から自己肯定感を育むのが「VERY」。多様性を認めるには、「誰かと比べたりあこがれたりするよりも、自分らしくファッションを楽しもう」と、まずは自分自身を認めることから始めなければいけないんだなと気付かされました。
しかし、読み進めるうちにある疑問が。この特集で「みんな違って、みんな、イイね!」の例として出てくるのが、なんと「ミス・ユニバースの同期5人」というメンツ。いやいや、みんな違ってないじゃん! と言わずにはいられません。「同じ境遇の人たち」という前提があった上での、「みんな違って、みんな、イイね!」というのが、この特集が本当に言いたいことなのでしょう。