角川慶子の「シロウトで保育園作りました」第86回

新年度で起こりがちな子どもの「噛み付き」問題は、過剰反応しなくても大丈夫

2015/04/18 16:00
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私がプロデュースした「音羽の坂こども園」の開園式。開園の前は、面倒な親がいたり、見当はずれの質問をされたり大変でしたが、順調に毎日が過ぎているようなので安心しました。スタッフはもともとスキルがある上、駒沢の森こども園で研修をしたので、しっかりやってくれると思います

 怒涛の4月も、もう半ばを過ぎました。保育園ではいろんなことが起きました。案の定というか、洋服の取り違えが、同じ子に限って何回も起こったり、意外な子が噛み付き亀くんだったりで、全員で気を張っているのに、事件の連続です。

 洋服の取り違えに関しては、みんなと違う時間に帰る子のみに起きています。昼寝をさせないといけない時間帯やアクティビティの始まる時間帯に、一部の子がお帰りの準備をすることで、間違いが発生しているのだと思います。霊的に言えば(霊視したので)、保護者の方が他の方よりも心配性で、「子どもを預けて大丈夫かしら?」というエネルギーが悪いことを引き寄せてしまっていたのでした(←くうー、詳しく書けないのが残念!)。服の取り違えが起きていると、「保育が心配」と思われがちですが、保育全力だからこそ、持ち物は二の次になっているのです。言い訳じゃないけど、これは本当。対策として、取り違えの起こった子のカバンは一番上のロッカーにして、他の子が間違えて自分の洋服を入れないようにしました。とにかく気を張るのみですね。

 この時期、噛み付き亀くんが大量発生中です。噛み付き亀くんたちは、みなしゃべれない赤ちゃんです。もちろん保護者の方にも報告済みですが、子育て経験者としては、これはどうしようもないことなので、保育園としては、亀くんを同世代のお友達から少し離したり、噛まれた時の衝撃が大きい繊細なママの子どもをいつも保育士の横にいさせて、亀くんからガードする対策をしました。ところが先日、保育士がガードをしていない子が噛まれてしまったので、噛み付き亀くんを先生の横に置くことにしています。ほとんどの母親は、「噛む噛まれるはお互いさま」と理解しているので、トラブルにはなっていません。もちろん、「噛んではいけない」と指導している+成長するので、あと2カ月くらいでなくなると思います。いま預かっている子たちだって、1年前は噛んでいました。自然となくなるのです。噛む子に限ってかわいい子ばっかりなので、私は他の保護者になんと言われようと(言うような親はいないけど)、守ろうと思います。

 「噛むかも」とママが心配していた子に限って、保育園では何も起きません。逆に、噛み付き亀くんのママたちは「本当ですか?」という反応で、意外だったみたいです。みんな小さいけど、いま必死に人間関係を構築中なので、早くみんなと仲よくできる環境を整えるのが私たちの仕事ですね。

■お受験の絵画問題も対策してます


 私の仕事は、この時期ならではの、平成29年度入園予定者の見学ラッシュの対応です。まあこれも、5月には予約がいっぱいになるため終わりますが……。あとは、お受験のペーパーテスト対策(有料)をする子が多いので、朝から前日に引っかかった問題を確認してから、何十枚も問題集をコピーします。学年もバラバラだし、子どもによって進み方も違うので、全部違う問題集です。そして、今年受験の子の絵画の問題を考えます。慶應義塾横浜初等部&慶應義塾幼稚舎は、先生が結構長いお話を読んでから、「これと同じ気持ちになったことを思い出して描きましょう」といった問題が出るのですが、ほとんど子はお話につられた絵を描いてダメになってしまうので、その特訓というか、過去問の類似問題を作ってはやらせています。

子どもとアート―生活から生まれる新しい造形活動 (教育技術新幼児と保育MOOK)