サイゾーウーマンカルチャー漫画レビュー老いた親との距離感を描く3作 カルチャー 娘と年老いた親の関係を考える 独身、一人暮らしの娘と老いた親との距離感を描く3作――“正解”のないそれぞれの選択 2015/04/26 21:00 マンガレビュー ■どんなに体がきつくても、母親と“同居しない”選択をした娘 『おひとりさまの遠距離介護けもの道』(メディカ出版) 一方、重くなりがちな現実をクールに描いたのが『おひとりさまの遠距離介護けもの道』(メディカ出版)だ。著者・たけしまさよさんの母親は、老人性うつからあらん限りの病気を併発し、「つらい」「痛い」と不平不満愚痴弱音を吐き続ける。ところが、母親は70代後半から80代であるはずなのに、愛らしい童女のように描かれている。なんだか妙な感じなのだ。かわいい老女から、否定的な言葉をぶつけられ続けても、それほど大したことではなさそうな気もするが、作品の中盤で、母親が童女の姿をしている理由が明らかになる。その理由は本書を読んでいただくとして、それを知って、たけしまさんのつらさがようやく理解できた。さもありなん。それは同居できないわ。 そう、たけしまさんは一人娘だと思われるが、電車で2時間ほどの距離に1人で住み、頑なに同居を避けている。そして仕事をやりくりしながら、毎週末母親の元に通い介護をするのだ。それがどれほど大変なことかは想像に難くない。しかもBGMは、母親の絶え間ない不平不満に弱音に愚痴だ。毎週末の通い介護でどんなに疲れようと、月曜には自宅に帰り、母親と離れることがたけしまさんには必要不可欠なのだ。「もう帰るの?」という母親の哀切極まりないまなざしに、一瞬ためらいはするものの、その一瞬の情に流されてしまうと一生を棒に振ることになる。それは、たけしまさんがこれまでの人生で嫌というほど学んで身につけてきた、母親との距離なのだろう。 毎週通い介護をしながら、母親の入院、手術の段取りまで完璧にやったたけしまさんはあっぱれだ。介護が必要となった母親との関係に悩んでいる人には、このコミックは本当に役に立つと思う。後ろめたく思わなくていい。近くにいることだけが親孝行じゃない。 前のページ123次のページ Amazon 『親孝行できるかな? (メディアファクトリーのコミックエッセイ)』 関連記事 実母の介護を撮り続ける娘・関口監督――認知症の心を描く『毎日がアルツハイマー2』の福音憎い母親の介護を引き受ける娘、「苦しみが生まれるとわかっていても」選ぶ葛藤「がんばっていると母に認めてほしいのかも」認知症の母を介護する娘の痛み母をお墓に入れられない理由とは? 認知症の母親を見送った息子の戸惑い「家族を守りたかった」脳卒中・認知症の義母の罵声に耐え続けた嫁 Facebook Twitter プッシュ通知を受け取る クリックしてプッシュ通知を有効にする クリックしてプッシュ通知を停止する 暮らしのおすすめ記事 赤字拡大の【イトーヨーカドー】、新ブランド「ヨークデリ」を食べてリピート購入を決意したワケ 食べ物 汚部屋の原因「NG収納」とは? 片付け専門家が【16の実例】を写真で解説 住まい スシローより安いのに味は上! 「回転寿司みさき」で見つけた“掘り出し物”メニューとは? 食べ物 【3COINS】店舗限定の432円「のどぐろふりかけ」は購入必至! 旨みがすごくて大正解 食べ物 【風邪っぽいとき、なにを食べる?】食養士のプロおすすめ簡単レシピ4つ 食べ物 暮らし一覧へ 男性アイドルのおすすめ記事 ジャニーズ名物振付師・サンチェ氏の移籍報道が、平野紫耀TOBE合流と「同レベルの衝撃」であるワケ 滝沢秀明 【ジャニオタマンガ】コンサートでは盛り髪&花冠、イッピ袋も! 懐かしきオタク文化 STARTO(旧ジャニーズ) 中居正広“反論”報道で再注目……森香澄、お見送り芸人しんいちの「性行為同意書」に理解示す 中居正広 KinKi Kids、放送10年目直前『ブンブブーン』終了報道にファン衝撃! 新曲は初日13万で前作超え KinKi Kids Snow Man・深澤辰哉と同い年でバチバチ? ベテランJr.がNEWS・増田に語った「理不尽な時期」 ジュニア 男性アイドル一覧へ