「産まない」を選択した女性を語る「DRESS」に抱いてしまった“モヤモヤ”の原因
「DRESS」(幻冬舎)の看板モデル・米倉涼子が「離婚か?」というニュースが飛び交っていますね。ちょっと前に結婚のニュースが流れ、「なんだ独身アラフォーの代表じゃなくなったのか」と思っていました。しかし報道通り「パワハラに遭って離婚」なら、たいてい独身アラフォーって男で痛い目に遭った経験がひとつやふたつあるだろうから、読者にとってちょっと身近に感じるような存在になる気も……。来月の「DRESS」でそれこそ赤裸々な離婚裏話でも載せてくれたら、一般人は食いつくように読むかもしれません。所詮、人の不幸は蜜の味だし。
<トピック>
◎米倉涼子×山本編集長 スペシャル対談
◎今月の女ジャーナル
◎何をどう着たらいいのか、わからない!
■独身アラフォーは下り坂前提!?
今月の「DRESS」は、なにか読んでモヤモヤする企画が印象的でした。まずは「米倉涼子×山本編集長 スペシャル対談」。「DRESS」編集長は、毎号冒頭に「Editor’s Letter」というコラムを書いていて、本当に出たがりだなあと思うわけですが、米倉さんと山本編集長の本音が飛び交う対談が読みたいかといえば、「大して興味がない」というのが読者の本音ではないでしょうか。
対談では、米倉さんから「DRESS」創刊3年目を迎える編集長へ、「正直、3年目を迎えられると思っていましたか?」と質問しています。その返答として「新しく設立した会社からだす初めての雑誌だったから大変だった。もともとファッション誌を出している会社なら、既存の女性誌の読者が10歳歳をとったからそのうえの世代の雑誌を作ろう、そのまた10歳うえの雑誌を作ろう……」とラインを作っていけるけれど、「DRESS」はそうではなかったと、その苦労を語っています。。
そもそも「DRESS」が狙っていた「高給取りのバリバリキャリアウーマン」という独身アラフォーたちは、ファッション誌を読むような人種じゃなかったわけで、既存の女性誌ラインがあったところでどう役に立ったのか、と思わないではないけれど、雑誌が黒字化するまでにはかなり時間がかかるもの。「卵活特集」やら「婚活漫画」やらやってみたり、かと思えばキティちゃんが表紙になったりと迷走しているところをみても、 制作現場は大変なんだろうなあと思いました。
同対談では、「DRESS」のコンセプトを「自分の器の中にいろいろな楽しみを入れて満たそうとする人たち」のための女性誌と説明しているんですが、その言葉から思いつくのは、精力的に読者参加型のイベントを開いている「DRESS」の部活企画くらいで、あとはどういう企画に反映されているのでしょう?
そんな疑問が浮かぶとともに、一方で「DRESS」には“自分語り”をする一面もあり、今月号の「Editor’s Letter」でも、編集長が特集「何をどう着たらいいのか、わからない!」の目的を説明しており、読者は「DRESS」のねらいどころをたたき込まれているわけです。