「干渉妻」や「子役のイメージ」から脱皮し、見事第一線に返り咲いたセレブたち
ボクシングの才能もあったミッキーは、鬱憤を晴らすかのように試合にのめり込み、順調に勝ち進んでいったが、「このまま続けると脳に障害が残る」と医師から診断されたために引退を決意。美形でセクシーと騒がれた顔は試合中の骨折で変形していたため、大金を投じて整形手術を受けるが失敗。2度目の妻キャリー・オーティスからDVで訴えられたり、飲酒運転で逮捕されたり、どん底に落ちた。住む家はなくなり、友人から週200ドルを恵んでもらうという生活を送るまでになったが、そんな彼にハリウッドの友人たちが助けの手を差し伸べ、『レインメーカー』(97)などで脇役ながらも印象に残る演技を披露。『シン・シティ』(05)に出演する頃には「こわもてでマッチョな中年」という新しいイメージが定着し、『レスラー』(08)でゴールデン・グローブ主演男優賞を獲得。再ブレイクを果たした彼は、『アイアンマン2』(10)、『エクスペンダブルズ』(10)、『シン・シティ 復讐の女神』(14)などにも出演しており、ハリウッドになくてはならない個性派俳優として君臨している。
■ニール・パトリック・ハリス
幼少の頃より子役として活動していたニール・パトリック・ハリスは、ウーピー・ゴールドバーグ主演の映画『Clara’s Heart』(88)の準主役に抜てきされ、いきなりゴールデン・グローブ助演男優賞にノミネートされた。翌年、14歳で臨床医になった天才少年を描くテレビシリーズ『天才少年ドギー・ハウザー』(89~93)の主演を務め、再びゴールデン・グローブ賞にノミネート。ドラマ終了時は20歳になっていたが、「テレビ子役」のイメージが強く定着した。
しかしニールはイメージに左右されることなくマイペースにキャリアを積み、カルト的人気を誇ったコメディ映画『ハロルド&クマー』シリーズに準主役で出演したり、00年代前半にはブロードウェイで活躍。舞台で大きく成長し、05年に放送開始したテレビコメディ『ママと恋に落ちるまで』(~14)でチャラ男役を演じ再ブレイク。同作のおかげで、子役時代の「おとなしい童顔少年」から、「180センチを超えた細マッチョのチャラ男」へ見事イメチェンできたことが勝因とされた。
また、人気が上昇していた06年というタイミングで同性愛者であるとカミングアウトしたことから、完全に子役のイメージが抜け落ち、「ジェンダー関係なく誰からも愛される役者」という地位を獲得。トニー賞、エミー賞、アカデミー賞の司会を務め、今年のアカデミー賞ではブリーフ一丁でステージに上がり大きな話題に。今やアメリカのエンターテインメント界には欠かせない存在へと大成長した。