【連載】プウ美ねえさんのエプロンメモ

「バツ1、夫と別居中、彼氏アリ」節操なしの母に説く、小5の娘に呆れられない“愛の教え”

2015/02/01 21:00
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(C)熊田プウ助

家族関係、恋愛、夫婦関係、仕事、結婚、介護、人生……サイ女読者のお悩みに“プウ美ねえさん”こと熊田プウ助が、いつもそばに置いておきたい“エプロンメモ”とともに回答します。

【今月のお悩み】
「今の彼氏と同居したいのですが、娘にどう伝えるべきか」
 1度目の結婚でできた娘、11歳(小5)と2人暮らしをしています。現在、2度目の結婚の相手と別居して1年ほどです。相手が拒否しているため離婚は成立していませんが、3度目の結婚をしたいと思う相手(現在の彼氏)を娘に紹介して同居を始めたいと考えています。微妙な年頃なので、2度目の結婚相手とは離婚できていないことを言った方がいいか、そこは大人のウソで乗り切るか、悩んでいます。正直に言うと、「お母さん節操ないねー」と呆れられそうでちょっと嫌なんです。(ぱにゅぱにゅ、38歳)

【プウ美ねえさんからの回答】
 まず、節操がないことを認めましょう。節操はありません。節操はないのです。自分を知るところから、はじめましょう。

 メールではお嬢様がどんな性格か、しかとわかりませんが、子どもというのは、ささいなことで傷ついたりするので油断なりません。おねえさんも、とうに成人した甥や姪に「あの時は意地悪だった」「からかわれてつらかった」などと責められます。こちらとて面倒をおして遊んでやったのに心外です。まして実の娘となると、こころの行き違いは禍根をのこしかねませんから、慎重にやりましょう。母親が恋を楽しみ、充実した日々をおくることは、彼女にとっても悪かろうはずがありません。しかし、おうちにずっといる大人の男がたびたびかわることは、不安なものです。ぱにゅぱにゅさんが38歳でも男を欲するのとおなじように、11歳の女の子には、心休まる家がひつようです。「外でサカって来い」もしもおねえさんが彼女に憑依できたなら、そう言うでしょう。

 どうしても、あたらしい男との同居がひつようである場合、おすすめのやり方があります。あなたが折りにふれて、お嬢様に、自分の快楽を言葉で伝えることです。男とのセックスの良さや、精神的に依存する喜びを具体的に教え、これまで男を捕まえた方法や、愛されるヒントをレシピにして伝えてごらんなさい。ポジティヴなことだけでよいのです。昔の男の悪口や、失敗談は、おさないひとを混乱させます。母親が実感をもって伝えた信条を、女の子はあんがい大切にしますから、きっと将来、彼女も節操なく男を愛し、男に愛される女になれます。また、過去を振り返ることで、あなたじしんの学びにもつながることでしょう。それはよりよい恋愛のために重要なことです。「節操はなかったけど、楽しく生きる方法を伝えてくれたお母さんだったなぁ」あなたがこのさき、恋を楽しむ引き換えに、お嬢様によく思ってもらえる言葉は、これしかないのです。

 体面を保つための隠し事など、時間がたてば「あ、お母さんは離婚前に不倫したのね」と、すぐばれます。そんなのは、「大人の」などと形容するほど上等のウソではありません。


【今月のエプロンメモ】
貞淑であっても感じの悪いひとはいますし、ぎゃくに周囲をあかるくする節操なしもいます。あなたが後者になれれば、それがいちばん素晴らしいことです。男と楽しんだぶん、周囲にも幸せのおすそわけをしてごらんなさい。

熊田プウ助(くまだ・ぷうすけ)
1969年生まれ、ゲイ漫画家。都内でひっそりと飼い猫と暮らす日々を描いたエッセイマンガ『本日もおひとりホモ。中年マンガ家生活』(ぶんか社)など、著書多数。最新刊は、作画を担当した『世界一周ホモのたび 祭』(同)。

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最終更新:2019/05/08 16:10
『本日もおひとりホモ。 中年マンガ家生活』
母親の不平不満ほど娘の心をえぐるものってない