「BAILA」の新女性像「外側は女らしい、内側男前」、10年前の『anego』ブームとの違いとは?
しかし、今回「BAILA」の提唱する「外側は女らしい、内側男前」な女性は、『anego』のような虚像ではなく、現実の中で成り立っている“実像”といった印象を受けました。『anego』ブームからの10年間、「草食系男子」「専業主夫」というワードがメジャーとなり、「共働き夫婦」が一般的になりつつある中、バリキャリは今や恋愛市場では引く手あまたの高値物件になったのでは。稼いでくる女性を欲する男性が増加し、もはや「外側は女らしい、内側男前」は、自他ともに認める現実世界での勝ち組になったのかもしれません。
そう考えると、働く女性をターゲットにする「BAILA」が、これからのモテ女に「外側は女らしい、内側男前」を提唱するのも理解できます。こういう女性って、非の打ちどころがない人で、昔から誰しもがあこがれの対象として見てきたもの。しかし、どこかで「女は愛嬌」「ちょっとおバカな方が」という打算があり、意外に本気で目指してきた人は少なかったのかもしれません。「BAILA」モデルの筆頭である梨花も、かつては『恋愛体質』(講談社)なんて本を書いていましたが、今やアパレル界で大成功しているビジネスウーマンですから。
しかし一方で、年々、追い立てられるように、世間からの女性への要求は高くなっており、「まったく生きにくい世の中になったものだわ」と、ため息ばかりが出てしまいます。これって、裏を返すと男たちにいいように使われているだけなのでは……と思ってしまいますが、ただでさえ、頑張り屋さんなバイラーズが、完璧女性を目指しすぎて窒息死してしまわないか、今からとても心配です。
そんなわけで、冬の鬱々とした気分の中、やや自己啓発的な内容が多かった「BAILA」2月号。「ランチ代が高い!」というくそちっぽけな悩みを抱えている女子たちが、「外側は女らしい、内側男前」になるには何段階段を登ればよいのか、ついていけるのか、途方もなさすぎて若干めまいがしそうですが、修造さんのアドバイスである「自分に正直になる心=自尊心。これこそが本物のプライド」を胸に、まずは「この店、高い割にまずくね?」と、お局様に発言するところからトライしてみるといいかもしれません。果たして何人のバイラーズが、この新提案についてこられるのか……。筆者も乗り遅れないよう、ファッションも内面も春の訪れに向けて、一層磨いていこうと思います!
(ルイーズ真梨子)