「私の持ちネタ全部出すよ! テレビで出せないやつ中心に」岩井志麻子のスベらない話
「いつかはひっそりバーをやりたい」居酒屋で酒を飲みながら作家・岩井志麻子がふとつぶやいた。1964年12月5日生まれ。めでたく生誕50周年を迎えた志麻子先生。この祝福すべき日、ここジャパンに志麻子がいる喜びを体全部で味わえるイベントが行われた。その名も「バー志麻子」。至近距離で生志麻子に会えるチャンスに胸を躍らせながらゴールデン街に向かった。
ネオンきらめくここは新宿ゴールデン街。まだ夜も始まったばかりの午後6時。一軒のバーに足を止める。古びた木の扉を開けば、8人も入ればいっぱいの小さなカウンター。そして柔和な笑顔のママがしっとりと人生を語る……はずだった。
「……それでね、そこのおっちゃんたち全員小指がないわけよ!! ガハハハ!!」
そう、ここはたった一夜限りのバー志麻子。志麻子先生夢の舞台は開店直後の午後6時ですでに満員御礼だった。そして、案の定というかご期待通りというか、「ひっそり」とは無縁の志麻子フルスロットル。「今日は私の持ちネタ全部出すよ! テレビで出せないやつ中心に!」そんな頼もしい言葉にその場の志麻子ファン全員このまま死んでもいいと思ったに違いない。
ヒョウ柄のセットアップを小粋に着こなした今日の志麻子先生。どこからどう見てもゴールデン街のママだ。そんな志麻子先生のテッパンネタを聞きながら、志麻子先生に酒を注いでもらい、志麻子先生の故郷である岡山ゆかりのつまみをいただく。店内にはTENGAのポスター。これ以上ない“志麻子空間”ではなかろうか。あまりの僥倖にお客さんたちも緊張の色を隠せない。そこは百戦錬磨の志麻子先生、一瞬の静寂を見逃さない。「うちのマンションさ、歌舞伎町イチ安全なのよ。ヤクザの親分2人とホストと岩井志麻子が住んでるんですよ。空き巣よりもタチ悪いやつしかいないのよ」というライトなネタから掲載不能の重量級まで惜しみなく披露して客のテンションを上げていく。途中、『5時に夢中』(TOKYO MX)の取材が入れば「この子がヤマネくんっていうんだけど、とんでもない変態でね……」とスタッフの性癖も暴露するホスピタリティを見せていた。