“スペオキ”“事務所事情”も普通にスルー、『ぷっすま』SMAP・草なぎ剛の輝き
ジャニー社長のスペオキ(スペシャルお気に入り)やオキニに対する、その他ジャニーズの接し方には何通りかある気がする。1つは、「すり寄る・ゴマする・機嫌を取る」で、もう1つは「敵対視する・反発する・意地悪になる」。そして、特殊枠として、堂本剛に対する堂本光一、今井翼に対する滝沢秀明、中山優馬・知念侑李に対する山田涼介のように、「社長から大事なものを預かり守る信頼関係」というのもある。
だが、それらのいずれにも属さない、不思議な関わり方を見た。SMAP・草なぎ剛だ。
今回ツッコませていただくのは、そんなスペオキ・中山優馬がFUJIWARA・藤本敏史、中村アンとともに出演した11月21日、28日放送分の『ぷっすま』(テレビ朝日系)から「日帰りアルバム旅行in秩父」。実は先に見たのは、28日放送分だった(21日は後日録画で確認)。後編だけ見た段階で、驚いたのは、草なぎが事務所の後輩・中山にまったく声をかけないこと。
最初に訪れたのは老舗氷店だが、フジモンと中山の前に出されたのは、シロップのかかっていないかき氷だった。実はこれ、前編でのカート対決の敗者のペナルティだったのだが、「味はないけど、フワッフワッ(苦笑)」(中山)、「無味よ、無味。おいしいよ、氷は。でも、こんな山ほど食えるわけないやん(泣)」(フジモン)という2人に、まったく笑わずチラリと見ただけで、かき氷を食べ続ける草なぎ。単なる相席客にしか見えない対応である。しかも、大熊英司アナやユースケ・サンタマリアが進行する間、隣の中村やユースケのかき氷にも手を伸ばし、勝手に試食していた。
続いて、長瀞ライン下りで、「象のかたちに見える岩」を案内人に紹介されると、「え~全然見えない!」を連呼。急流ポイントでは突然両手を広げて立ち上がってはしゃぎ、大熊アナが「優馬くんより子どもですから、困っちゃいますね。ごめんなさいね」と言っても、素知らぬ顔をしている。その後、クイズに負けた中山が超大量のからし入りもなかを食べ、激しくリアクションしても、無表情。民家を突撃訪問し、「おっきりこみ」という料理を作ってもらった際も、中山が一生懸命ボケやツッコミをしても、無表情で食べ続けていた。
後編で「中山くん」「優馬くん」という呼び名が草なぎの口から聞かれたのは、結局一度もなかったように思う。芸人のフジモンが気を遣い、一緒にボケるなどしているのに、この先輩のスルーっぷりときたら……。かといって意地悪な様子は皆無で、ごく普通にスルーしている。途中から「もしかして後輩だと知らないんじゃ?」「姿が見えてないんじゃ?」「目を開けたまま寝てるんじゃ?」などと不安になってしまうほどだった。あまりの不思議なスルーっぷりが気になり、録画の21日放送分を追っかけで見てみた。
すると、驚いたことに、前編では、ユースケが遅刻で途中参加となり、1人で進行しなければいけなかったせいか、妙なツッコミを入れたり、ベーグルコロッケサンドを食べて「うまい」とフジモンとハイタッチしたり、カート対決ではしゃいだり、かなりハイテンションだった。中山とも、普通に仲良くしゃべっていた。何だろう、この前編後編のテンションの違い……。あらためてもう一度28日放送分を見てみる。みんながそれぞれの「仕事」をする中、プライベートのようにひたすらかき氷を食べる草なぎ。その後のライン下りでも、プライベートのように立ってはしゃぐ草なぎ。その後、笑顔が消えている。
もしかして、草なぎ、ゲストが誰とかまったく関係なく、日帰り旅行を満喫して、かき氷食べ過ぎて、ライン下りで冷えて、おなか痛くなっちゃった?
2週分続けて見ると、あまりのテンションの落差に違和感があるが、それについてツッコむ人もいなければ、言い訳も何もない。そして、『ぷっすま』のスゴイところは、こうした草なぎの「そのまんま」の言動をすべて「5歳児発動!」「自由すぎる」として、盛大に甘やかしていることだ。だからこそ、『ぷっすま』の草なぎは、どこよりも輝いている。そして、そんな「5歳児」「自由すぎる」草なぎには、事務所の上下関係とかスペオキとか派閥とか、まったく関係ないようなのだった。
(田幸和歌子)