西島秀俊の「結婚7カ条」に深読みした、“高条件”を掲げる男とそれを飲む女の本音
西川のように恵まれた女性はどうしても高い条件を掲げがちだが、モテる男性は、その上をいく高望みとなる。なぜなら、結婚する目的に「子ども」を挙げる男女が多い中、女性は出産が年齢的に厳しくなると条件をあらためることもあるが、男性は生殖年齢が長いので、加齢で条件を変えることはないからだ。しかも西島のように有名人で高収入となると、婚活市場では好物件となるため、提示する条件が高くなるのは当然かもしれない。
とは言いつつも、西島の7カ条は、女性から見ると、精神的なつきあいを拒否したかのような関係にも感じられる。メールの返信もなく、会話もない関係はセフレと一緒ではないかと感じる女性もいるだろう。そんな好感度が下がるような条件を、西島が平気で提示するのは、やはり「それでも、俺と結婚したい女はごまんといるから」とわかっているからで、相当な自分好きの証拠なのではないだろうか。
西島のほか、ロンドンブーツ1号2号の田村淳などもそうだが、結婚に厳しい「条件」を掲げる男が一般人と結婚するのは偶然ではない。夫人たちが、「男>女」とでもいうような条件をのみ、一方的な上下関係を好意的に受け入れられるためには、「有名人>一般人」というふうに、社会的階層の上下があった方がいい。また一般人とはいいながら、夫人たちが無名の「元芸能人」(淳夫人は元モデル、西島夫人は元地下アイドル)であったことは見逃せない。我慢を強いられるように見えるが、有名人に気に入られて結婚さえすれば、夫と同等のステイタスを得るという「特典」がついてくるからだ。
ところで、私が会社員だった頃、人気のある女性同期は、男性社員に「どういう人と結婚したい?」と聞かれまくっていた。その同期は「好きになった人が理想」「年をとっても手をつないで歩いてくれる人」と年収や見た目など、生々しい条件を避けて回答し、好感度を上げていた。男女とも、掲げる結婚の条件は「自信」の表れだが、女性は努めて「低く」言う方がモテに有効であるようだ。結婚したい独身女性はうっかり本心を言わないよう、注意した方がいいのかもしれない。
仁科友里(にしな・ゆり)
1974年生まれ、フリーライター。2006年、自身のOL体験を元にしたエッセイ『もさ子の女たるもの』(宙出版)でデビュー。現在は、芸能人にまつわるコラムを週刊誌などで執筆中。気になるタレントは小島慶子。
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