前妻とその恋人――“彼ら”の無神経さを、淡々と連載で綴り始めた辻仁成の戦略
これは結構な問題発言だ。子どもへの虐待事件は日々報道されている。時には死亡事件も起こる。こうしたケースで「なぜ近所の人は通報しなかったのか」と批判も起きている。しかし辻は、子どもが異常に泣いていても、それを通報されるのは大きなお世話であり、すべきではないこと。そう公共の電波を使って宣伝しているようなものだったから。
しかもテレビで通報した人を一方的に批判すれば、当然相手の反発を食う。実際、「セブン」の取材に対し、何人ものご近所さんが子どもの激しい泣き声と共に、辻への非難の声を上げていたという。“問題ファミリー”という雰囲気になっているのだ。
なんだか、江角マキコのママ友いじめを彷彿とさせるような構図の“逆襲”記事でもあるが(江角のママ友からの逆襲記事も「セブン」だった)、ご近所からの辻への非難、そして辻自身がテレビで発したご近所への“敵対”発言からして、ご近所トラブルは結構な段階に入っている模様。今後、ご近所トラブルから、とんでも続報が飛び出すかも! そんな危惧さえ感じる記事だ。これまでもいろいろお騒がせママぶりを発揮していた辻だが、虐待は洒落にならない。そんな疑惑を持たれないためにも、そして子育てのためにもご近所付き合いは大切に。
中山美穂との離婚後、辻仁成の連載エッセイが「自身」誌上で始まった。今回で8回目のその名も「ムスコ飯」。タイトルからもわかるように、内容は10歳の息子を引き取りシングルファザーとなった辻の日々の“レシピ”エッセイだ。スタート時からこの連載に注目していた。どれだけ健気なシングルファザー・アピールをするのか、あざとい息子への愛を語るのか。そして前妻について何を語るのか。
だが、期待は裏切られ続けていた。これまでの7回の連載では、中山に対する当てこすりのような表現はあったが、淡々と、そして愉快に息子と暮らし、きちんと料理もこなす父と息子のパリ生活が描かれてきた。料理もおいしそう。いい意味で期待は裏切られ、辻に対しても好感が持てる内容だった。もう中山のことは触れないのかな、そう決めた連載なのかなと少しがっかりもした。
ところが遂に今週、出ました! しかも結構辛辣である。