前妻とその恋人――“彼ら”の無神経さを、淡々と連載で綴り始めた辻仁成の戦略
下世話、醜聞、スキャンダル――。長く女性の“欲望”に応えてきた女性週刊誌を、伝説のスキャンダル雑誌「噂の真相」の元デスク神林広恵が、ぶった斬る!
百田尚樹がやしきたかじんの妻について綴った『殉愛』(幻冬舎)がスゴい。何がスゴいのかって、幻冬舎の“戦略”がだ。発売前まで極秘扱いし、当日はスポニチと『中居正広の金曜日のスマたちへ』(TBS系)で一挙に攻勢! しかもこれまで妻への疑惑を書き立てた週刊誌も、百田の作家タブーの前に反撃はおろか、沈黙するしかないからだ。そもそもここまで百田を持ち上げ、いい気にさせた出版界にも大きな責任があると思う。
第245回(11/6~11発売号より)
1位「『異常な泣き声』 辻希美ハウスの児童相談所が駆けつけた!」(「女性セブン」11月20日号)
2位「辻仁成 連載エッセイ『ムスコ飯』」(「女性自身」11月25日号)
3位「川崎麻世 『黙ってろよ!!』 卑劣すぎる裏恫喝に傷心の愛人 睡眠薬飲んで『緊急入院』!」(「女性自身」11月25日号)
本日放映の『PON!』(日本テレビ系)で、杉浦太陽との交際デートの際に「段ボールに入って、友達に運んでもらった」と仰天告白した辻希美。だが、辻の私生活“暴露”はこれだけではなかった。
「セブン」が報じたのは、辻の仰天の児童虐待疑惑だ。おしどり夫婦を前面に押し、ママタレとして活動する辻が子どもたちを虐待――。しかし、これもまたマスコミによって暴かれた事実ではなかった。辻自身がテレビ番組内(日本テレビ系『解決! ナイナイアンサー』)で、自ら口にしたものだ。
6歳の長女を筆頭にほか2人の幼児を育てる辻は、テレビで「一番下の子(1歳)の夜泣きがいひどくて、ある時に児童虐待ではないかと通報され、職員らしき人が訪ねてきた」という趣旨を語ったのだ。家族や子どもをウリにしているママタレにとっては、まさに“大事件”だったろうから、自分からそれを暴露するのも“あり”ではある。番組に出るため、注目されるため、ひいては子どもを育てて生活するためには、このくらいの話はしなくては。そう思ったのも容易に想像できる。通報されたことを反省し、虐待を否定し、今後は改善するなら――。
しかし違った。辻は問題の矛先を「通報した人」に向けてしまったのだから。
「誰がいっているか全然わかります。ネットとかでもね。全員を信用できるわけではないんです」