カルチャー
[女性誌速攻レビュー]「nina’s」11月号

日用品は外国製なのに、七五三は伝統的に! 良妻賢母が愛国と結びつく「nina’s」ママ

2014/11/01 19:00
「nina’s」2014年11月号(祥伝社)

 加藤ローサが実子を表紙に登場させて話題になった前号の「nina’s」(祥伝社)。それで火がついたのか、「nina’s」のカリスマ・松嶋尚美が動き出しました。今号ではついに次女・空詩(らら)ちゃんを引き連れて、表紙を飾っています。これぞママタレントたちの終わりなき私生活さらけ出しバトル!! 千秋が事実上の卒業を果たしてから、ぽっかり空いた「nina’s」オシャレママアイコンの座を、MEGUMI、hitomi、MINMI、松嶋尚美など語尾「ミ」なタレントたちが争っていましたが、そこに突然割って入ってきたのが加藤ローサ。「子どもと夫が一番!」「今日もご飯を作ってから(撮影に)来ました」「ママってすごいですよね」など、優等生な加藤に危機感を覚えたママタレたちが今後どんどこ切り札を出してくると思われます。最近ではそれに加えて元ヤン枠の鈴木紗理奈&木下優樹菜、サブカル枠にはファンタジスタさくらだと定員いっぱい。しかしまだ“旦那がアンタッチャブル枠”(例:加護亜依)と“姑がどエライ枠”(例:落合福嗣くん妻)は空いているので、該当する方はぜひ「nina’s」に営業をかけましょう!

<トピックス>
◎特集 わたしたちの愛しのアイテムズ
◎ハンドメイド、はじめましょ(はぁと)
◎我が家の七五三。

■グッズ自慢と見せかけた自分語り

 今号の特集は「わたしたちの愛しのアイテムズ」です。キャッチには「おしゃれママの本当に使っているものを大調査!」とあります。察しのいい方ならもうお気づきでしょうが、これはママたちがいかに自分がおしゃれでナチュラルで個性的で文化的な生活を送っているかを読者にアピールする場。いわばおしゃれママたちの誌上演説会といったところです。

 木下、MEGUMI、鈴木らママタレントや、森貴美子・花楓らママモデルといった、“違いのわかるママ”渾身のお気に入りアイテムを紹介しています。木下は自身がプロデュースするブランド「Avan Lily」のグッズをさりげなく忍ばせて益若つばさを彷彿とさせる商魂を披露、もちろんMEGUMIもプロデュースするセレクトショップ「CALMA」の商品と合わせて、「ヴィンテージが好きで、家具などは60年代のアメリカのものをリペアして愛用しています。使い心地や着心地、すべての条件が100点のものと出会ってしまったら、多少高くてもしょうがないと思って買っちゃいますね(笑)」と、デッドストックのコンバースや「買い付けでLAに行ったときに骨董屋さんで見つけた」アンティークのマグカップなどを紹介。「古いものや手作りのものに、惹かれてしまうんです」の「しまうんです」にロックを感じます。さすがミクスチャーロックの旗手・降谷建志を夫に持つ女。

 しかし毎度ながら、タレントたちの宣伝ページは「nina’s」の前座に過ぎません。この後に登場するクリエイティブ(な職業の)オシャレママ・人気読者ママたちのオススメアイテムとそこに付されたコメントこそ、読者を最も高ぶらせ、熱狂させるのです。

 注目は「nina’s」ではおなじみのバルセロナ在住デザイナー兼モデルと、サンフランシスコ在住のデザイナー。「古いものを見るとひらめきが得られて、生活にも刺激を与えてくれます」「昔に比べると、物に対するミーハーな感情はなくなったなぁと思います」などの言葉に痺れまくるファン続出(予想)。彼女たちが紹介するアイテムの特徴は“あえてのハズし”。どっこの国のものかよくわからない横文字の化粧品やアクセサリーもあるのですが、たとえば「H&Mのコスメ(日本未発売)」や「甚平」「祖母が編んだ鍋敷き」などなど。昔、祖母に「チラシをこよって作った籠」をもらった時の“これどうすんべ”感を思い出しました。

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