サイゾーウーマンカルチャー女性誌レビュー大島優子の扱いが雑すぎる「steady.」 カルチャー [女性誌速攻レビュー]「steady.」11月号 元AKB48・大島優子の扱いが雑すぎる!? 突出できないという「steady.」の病巣 2014/10/25 19:00 女性誌速攻レビューsteady. ■卑しくなりきれない「steady.」 今月号の読み物ページで気になったのは、「みんなの給料大調査」。給料大調査というと、読者層であるOLたちの給料や、やりくり術が載っているのかと思いきや、どちらかというと男性の給料が中心。しかも、「10年後も安心な職業」ということで、医師、大学教授、パイロット、一級建築士、弁護士、歯科医師などが紹介されています。 「steady.」読者が、これからこれらの職業に就くということはなかなか考えにくいので、将来の安定した伴侶を探す際に、どういう職業の人を狙えばいいのかを紹介しているのでしょうか(正直、これらの職業の人が高給取りであることは、小学生でも知っていると思いますが)。もし、将来の伴侶探しの企画なんだとすれば、そうはっきり特集の核として打ち出せばいいと思うのですが、「steady.」はそういったあからさまな下心を隠してしまいます。確かに、読んでみて「へー、この職業ってこんなもらってるんだ!」という発見はありますが、だからといって、「steady.」で読まないといけないのかな? という疑問でいっぱいです。 ■「嫌われない」は捨ててはいけない!? 読み物ページの「恋の赤ペン先生のなんだかデート日和なんだ」は、かなり読み応えがありました。この赤ペン先生は男性で、「異性はメールで落とせる」を信条に、数々の男女間のメールにペンをいれてきた恋の伝道師なんだそう。いろいろツッコミどころがありそうですが、この特集で赤ペン先生は、地下アイドルに「仕事のことで相談があるから」と誘われてデートに行ったところ、彼女は自撮りに夢中で、かなりの時間ほったらかされたというエピソードを紹介していました。 女性が自撮りに夢中になり、ほったかされることの何がイヤかというと、「ぷっ、あの男と一緒にいる女、携帯ばっかり見てる。よっぽどつまらない男なのね」と周囲の人に思われることだそうで、「当分会わなくてよいかなっと思うくらい、なんだかとても疲れた」と、赤ペン先生。 生々しいエピソードに「ああ、こういう子ってほんとにいるだろうな」と思わせるコラムだったのですが、正直、恋愛に夢を抱くばかりのように思える「steady.」読者が、どれくらいこの話に共感したり、ネタにしたりできるのかがまったく見えませんでした。そもそも男を呼び出しておいたのに自撮りという行為は、自信のない「steady.」読者に理解できないのではないでしょうか。「steady.」ではこの企画だけ、複雑な自意識や恋愛の話で浮いて見えます。 雑誌にダメ出しをするばかりのレビューになるのは筆者も心苦しいのですが、例えば、以前の「steady.」だったら、「万人に愛されるためには」とか「嫌われないためには」といったテーマだけで特集を押し切るパワーがありました。現在、そういったテーマは飽和状態になっていますが、だからこそ、しつこく「嫌われない」特集をファッションページでやりつつ、読み物ページでは「嫌われる勇気」も持とうというような、矛盾しているけれど、実はつながっている「steady.」らしいテーマで雑誌を構成してもよいのではないかと思うのですが、なかなか難しいものなのでしょうか。 (芦沢芳子) 前のページ12 最終更新:2014/10/25 19:00 Amazon 『Steady.(ステディ)2014年 11月号 [雑誌]』 卑しさのない人間て欲望もなさそう 関連記事 アラサーのくせに独身子なし……「steady.」ファッションの根底にある“負い目”の正体「steady.」読者の不安げな表情に見る、アラサー世代の「私たちには何もない」感「steady.」がアドバイスする「大人の友達の作り方」、そのヘビーすぎるマナー男の子、先輩、上司......意見を集約できず「steady.」OLがノイローゼ寸前!"かわいけりゃモテる"という「steady.」の考えが、逃げ腰男子を遠ざける 次の記事 「角栓プッシャー」プレゼント >