「ナンパで会いました」が成立する、AKB48 グループにとってのアイドル“仕事”とは
――毒舌コラムニスト・今井舞が、話題のアノ人物やアノニュースをズバッとヒトコトで斬り捨てる!
◎修行の先にあるもの
しかし、アイドルが「ナンパで出会いました」という言い訳でしのがなきゃならん状況って、どんなだ。知り合いにマンガ誌のグラビアの人がいるけど、今はグラビアアイドル壊滅状態で、AKB48系統のコばかり使わねばならず、あうんの呼吸で付き合えたグラビアアイドルの事務所と違い、無理ばっかり言ってくるもんで、みんな辟易らしい。商品だからとか、商売だからといったことを抜きにして「本当に、よく手を出せるな」というのがグラビア担当者たちの本音だそうな。これから集英社に押し付けられるであろう無理難題を思うと、同情すら感じるとも。写真集とか、こってり出させられるんだろうなぁ。言い値で。
しかし聞くところによると、最近はもうグループ界隈では、話題性のためなら、暗に「スキャンダルもあり」みたいな雰囲気が漂っているらしい。オタクの間だけでなく、世間での知名度を上げるためなら、ビッグバンもありと。続け指原。本当か。ま、確かにこの件は耳目を集めたけど。なんか、センターがみんなワケあり系のグループ誕生の日も近いのかもしれない。アイドルの仕事って「客をうまく騙す」ことだと思ってたが。「騙す」の次元が違ってきてるな。きょうび、ファンも大変である。耐えがたきを耐え、忍びがたきを忍び。全ては秋元先生のために。
◎闇の執行人
高須院長、共同購入した競馬馬「イエスタカス」命名が却下され激怒! この一報を聞いて思い出したのは、「日本テレビ系『明日ママがいない』スポンサード拒否」の件だ。なんか、高須院長って、「金を巡る既存のシステム」に乗っていないせいで、うなるほど金を持っているというのに、除外されてしまうことが多い気がする。うなるほど金はあるけど、あくまでも個人として好きに使うだけ。だから、組織内だけで旨味が還元することを目的として集っているシステム側に、「お友達じゃない」と判断を下されてがちというか。
高須院長が怒っている対象を見ると、いつも「システム度」の高い物件であることが多くて膝を打つ。どうかこれからも、いろんな業界のドアを叩いて、どこが「システム認証制」なのか、世間に知らしめて行って頂きたい。これ院長にしかできないので。宜しくお願い致します。
◎自分にウットリ感も高め
村上春樹ファンが集うカフェが紹介され、今年もノーベル文学賞発表の日の到来を告げる。秋深し。ま、結果は受賞ならずであったが。
日本国民として「残念」という気持ちももちろんあるが、ハルキストっていうんですか、あの傾斜の強い人たちが、濃く喜ぶ映像を見ずに済んで、その意味でだけはホッとしている。本当に何なんだろうかあの人たちは。ほかの外国人の候補作家たちにも、あんな粘度の高いファンがいるんだろうか。いないなきっと。根拠はないが。集うハルキストが大写しになるたび、何か潮目が来ないような気になるんだよな。根拠はないが。
受賞ならずの瞬間、ねっとり打ちひしがれるハルキストたちの後に映った、村上氏の母校の重鎮たち。「ハズレや~」「来年120周年記念なんで、来年ぜひ!」と、かなり身もフタもないレベルのリアクションであったが。ハルキストの後なもんで、その屈託のなさにいっそ清々しささえ感じてしまった。ハルキスト……。村上春樹氏自身は、彼らの存在をどう思ってるんだろうか。あんまり考えないようにしてるんだろうなきっと。痛し痒し。重ねて言うが、根拠はないです。
今井舞(いまい・まい)
週刊誌などを中心に活躍するライター。皮肉たっぷりの芸能人・テレビ批評が人気を集めている。著書に『女性タレント・ミシュラン』(情報センター出版局)など。