大江麻理子アナ“家事してない発言”に宿った、彼女がとんでもないタマであるゆえん
具体例を挙げよう。さまぁ~ずと大江で尺八屋を訪ねたことがある。その時の会話は以下の通りである。
三村「尺八、吹いたことある? 得意?」
大江「はい」
三村「尺八、うまいんだ」
大江「音は出ました」
三村「音が出るのは、すごい」
大江「最初から音が出るのはすごいと言われました」
三村「才能があるんだ」
大竹「ちゃんと音出せよみたいな」
そこまでいって、大江アナの表情がさっと変わり、テレビ画面には「気付いた」というテロップが流れる。大江が何に気付いたのかと言えば、さまぁ~ずの言う「尺八」が楽器ではなく、フェラチオだということだろう。大江は「何か今、変な空気が出ましたよ」とコメントするが、視聴者が一発でわかることを、出演者である大江アナがわからないわけはない。
この「気付かないふり」は、男性視聴者に大好評で、週刊誌には「大江の品の良さがかえって際立つ」という意味不明な賛辞が並んだ。大江は「セクハラです、とすぐに目くじらを立てるようなうるさい女でない」と男たちに認識されたのだ。
「気付かないふり」に加えて、大江は「できないアピール」もうまい。同番組において、大江は歌のヘタさと運動音痴ぶりを披露し、笑いを誘った。バラエティー番組の性質上、できるよりできない方が面白いのだから、大江の行動は正解である。加えて、できないアピールは、相手を油断させて余計な嫉妬を買わないという意味を持つ。
「(家事は)ほとんどやっていただいてる感じなので……」というのもその1つであり、結婚後の家事について聞かれた際の発言である。「ほとんどやっていただいている」の主語が誰か、大江は明かさない。夫の可能性もあるが、夫婦して多忙かつ、夫が資産家であるが故に外注している可能性もある。「お手伝いさんが」などと言って「金持ちアピール」をせず、かつ、家事をやっていないと「できないアピール」をするのが、大江のすごさであり怖さなのだ。
男にはセクハラさせてあげ、女には負けたふりをしてあげる。両方できる人はそういない。やはり、大江麻理子はたいしたタマである。
仁科友里(にしな・ゆり)
1974年生まれ、フリーライター。2006年、自身のOL体験を元にしたエッセイ『もさ子の女たるもの』(宙出版)でデビュー。現在は、芸能人にまつわるコラムを週刊誌などで執筆中。気になるタレントは小島慶子。
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