“子持ち友人”への接し方を指南する「AneCan」に滲む、独身アネサーの気遣いと距離
しかしそこには、少しでもおしゃれ心があるぷにぷにさんであれば「そんなこと言われなくてもわかっとるわい!」というネタばかり。タートルネックやショート丈、ローゲージニットはぷにぷにさんにとって危険極まりないことは、あえて指摘されなくてもわかります。しかし、この突然のぷにぷにさんへの歩み寄り、「PochaCan」でも創刊するのでしょうか。ポチャティブの言葉から漂ってくる、なんだかわからないポジティブ思考は、「AneCan」にも同じ血が通っていると感じますので、「PochaCan」の創刊、なかなかイケるかもしれません。今企画はテストマーケティングだった、そう思うことにします!
■独身子ナシの無限地獄……
女性誌史上、初ではないでしょうか。なんと、「赤ちゃんの触り方」指南書がありました。正確には、赤ちゃんではなく、友人であるママへの接し方を指南する「人んちのベビー、基本のき!」。こんなことしたらダメよ~ダメダメ! という“心遣い”ネタが満載です。「お洋服をプレゼントするときは、今着られるものと、1年後に着られるもののセットで」や「ママへのプレゼントは、名入りグッズと親子共有のクリームが喜ばれるらしい」から始まり、「産院に会いに行く時は、産後3~6日の間に!」などなど……。「えっ! こんなに気とお金を使わないといけないのか!」と独身子ナシ筆者、目を疑いました。
確かに、妊娠出産で幸せの絶頂を感じる女性が多いのも事実。そこに水を差さないよう、気遣いしましょうとの意味でしょう。しかしながら、この特集の結びは「ほぼ全員が口をそろえたのは“気を使いすぎてはダメ”ということ」! つまり、ここで書かれている指南は「最低限」の気の遣い方のようです。こういった気の使い方をさらりと要求できる人、いやいや、さらりと気が遣える人こそが「AneCan」の言うレディなのでしょうね。しかし、親族・友人の赤ちゃんを“人んちのベビー”と呼ぶ言葉遣いに、そもそもレディも「誰に対してもていねい」もあったもんじゃないな、と思いましたよ。考えさせられることが多い特集、一読の必要ありですよ。
(白熊春)