くすぶっていた感情の正体を見たり!! 安彦麻理絵&田房永子、女の人生分岐点
<9月9日 田房永子>
(C)安彦麻理絵
「ごま塩玄米featuring梅干しのみ10days」って普通に(マクロ)ビッってますって! 「何十年もくすぶってたいろんなもん」が一気に整理整頓されて当然だと思いますよ~!
私も、「何年もくすぶってたいろんなもんが一気に整理整頓」された夜、ありました。6年前、いろいろあって「これから何を基準に生きていけばいんだろう」ってわかんなくてちょっとおかしくなってたんですよ。一応、普通の生活は送ってるんだけど、頭の中では24時間、そのことについて瞑想している、みたいな超異次元修行僧みたいな日々が5日くらいたったある日、布団に横になってた時のことです。
目を閉じてたと思うんだけど、ビカビカーーーーって虹色の玉虫色のような光に包まれて、3頭身の金ピカの仏像みたいなのが目の前に現れたんですよ。マジなんですよ。その仏像が「苦しみをまき散らさないのがよい」って言うんですよ。確認はしてないけど、体ちょっと浮いてたんじゃないかと思います。なんなら部屋の中に風とか吹いてたんじゃないですかね。
そこで「そうか~、自分の『苦しみ』を自覚しないで、周りにブチまけるのがいけないことなんだなあ~」って思って、次の日からかなりスッキリしたんです。人間、極限状態になったら勝手に覚醒して自分なりの悟りひらいちゃうモンなのかもですね~。それで2年前くらいに、「また静かな環境で極限状態になりたい」と思って、断食道場に1泊したんですよ。
人気があるところなので、相部屋しかなくて、着いたとたんにパンチパーマ的なものを頭にあてたオバちゃんが部屋に乱入してきて、後悔する間もなく、5分後にはオバちゃんと大浴場にいたんですよ。別に、同じ部屋の人と一緒に行動しなくちゃいけないわけじゃないんだけど、オバちゃんの強引誘導がすごすぎて自分で思考をする前に、オバちゃんに行動を決められているんですよ。なすがまま全裸で大浴場に入ると、とにかくオバちゃんがけたたましく「この断食道場と私の歴史」をフルボリュームで(大浴場だからめっちゃエコーかかる)語り続けて、本気で気が狂うかと思いました。しかもオバちゃんが全裸で浴槽のふちにヨーロッパの名画みたいなポーズで横たわってるんですよ。もちろん乳輪も乳首も陰毛も丸見えで、至近距離すぎてどこに目をやっていいか見ていいかわからず、そういう、しゃべってる相手がいるのに視界に制限がある状態って、眼球にとってものすごいストレスなんですよね。
そんで、食事は変な野菜のジュースみたいなのしか飲ませてくれないんだけど、そういうの、めっちゃ味わって飲みたいじゃないですか。だけど食堂で飲まなきゃいけなくて、ほかのオバちゃんとか女たちがめっちゃギャースカ雑談しまくってるんですよ。ホームページには「普段はすごせない、静かな時間をおすごしくだだい」みたいなこと書いてあったからわざわざ来たのに、日曜の原宿のマクドナルドかってくらいうるさすぎるんですよ。
さらに、いつの間にか私が「1泊コース」っていうのをみんなが知ってて(パンチパーマが言いふらしてるんですよ!)、「1泊コースの人だぁ!」とか「1泊なんでしょ?」「1泊で意味あるの?」とか寄ってたかって1泊1泊マジうるせーんですよ! 就寝の頃にはおなかは空いてないけどノイローゼ気味になっちゃって、外は嵐だし、隣にパンチパーマ寝てるし、なぜか体がビクとも動かせないまま、夜を明かしました。次の日、晴天の中タクシー爆走させて超特急で帰ったんですけど、海外のホラー映画のラストみたいでしたよ。悪夢の館からの生還……あの一夜はなんだったのか……みたいなやつ。