「主人に跨るなんて死んでもイヤ」アラフィフ主婦が、それでも浮気相手を捨てた理由
「彼女は、私も知っている男性と結婚し、専業主婦になりました。式を終えてしばらくしてから、一緒にお茶をしたんですが、自然と“そっち”の話になって……」
既婚者の友達同士で顔を合わせると、夜の話になることはよくあることだ。交際当初から、綾子さんご夫婦はセックスに対してそれほど執着はなかったそうで、綾子さん自身も「それでいいと思っていました」と語る。しかし、綾子さんの友人は、一瞬で彼女の平静を乱してしまったというのだ。
「私がありのままを語ると、『えっ。してないの?』と、驚かれてしまって。彼女は、延々とご主人との夜の生活を語り、『交際時とは違って、自分の女になったからこそ毎晩のように性生活を営むもの。毎日求められることこそ夫婦ではないの?』と言うんです。言葉にならないほどショックでしたね。私のところはもともと淡白で、月に一度あればいい方でしたから」
夫である男から女として求められていない自分がいる――友人の言葉にショックを受けた綾子さんは、夫との性生活に活路はないと判断し、闇雲に別の相手を探すようになった。出会い系サイトに登録し、1日に20通以上も来る男性からのアプローチを選別し、デートを重ねた。ルックスが好みだったり、ウマが合えば、その日のうちにホテルに行くことも少なくはなかったという。
「誰かに求められることで安心するんですよ。私は別にセックスが好きというわけではなくて、女として認められたいんです。友人が、いまだにご主人から女として求められているように、私も誰かの女でいたいのかもしれない」
綾子さんが動けるのは平日の昼間。あらゆる手段を駆使して、綾子さんが見つけ出した男性は、7歳年下のシステムエンジニア。今年の春に知り合い、月に数回逢瀬を繰り返していた。しかし「この前別れちゃったんですよ」と、顔を伏せて綾子さんはつぶやく。
「主人にバレそうになっちゃったんです。帰宅する時間が遅れてしまった夜、主人が私のスマホをいじってましたから……彼にはその夜にお別れのメッセージを送って、アカウントを抹消しました。私は資格を持っているので、フルタイムで働くこともできます。けれどもし浮気がバレて離婚などということになったら、今のように週に数回働いて、友人や知人のサロンで習い事をしたりお茶をしたりする自由時間がなくなってしまう。女としての自分と、今の生活を両天秤にかけると、圧倒的に今の生活を守る方が勝っているんです」