コラム
仁科友里の「女のためのテレビ深読み隔週報」

『5時に夢中!』若林史江、「マツコに決して逆らわない」態度から見えてくる女の顔

2014/07/12 15:00

 一般的に男性は、頭脳が自分より「下」で、容姿レベルが「上」の女性を好むが、一般常識がなく、美人な若林はこれにあてはまる。それに加えて、若林はゆるい。番組出演時の衣装はミニスカートやショートパンツが多いが、脚がいつも開き気味である。ノーブラであることや、酔っぱらって飲み屋でまんぐり返ししてしまったなど、普通なら隠しておきたいエピソードも隠さない。若林のそうした一面を汲んでか、マツコは「女性器の色はピンクで、ア●ルだけが色素沈着していた」と暴露していたが、これは若林の女性器に男性視聴者が食いつくと判断してのサービスのように思えた。

 番組のプロフィールによると、若林は「業界で唯一、マツコに口応えができる」となっているが、実は若林はマツコに決して逆らわない。料理コーナーである「やっつけ晩御飯」で作った料理の試食の際も、感想をマツコより先に述べることはなく、コメントもいつもマツコと一致している。MCのふかわりょうとマツコが揉めることがあると、若林はいつもマツコ側に加勢する。これらの行為は、マツコと意見が一致している、というよりも、マツコという権力者さえ怒らせなければ、自分は安泰だと思っているのだろう。若林にとって、マツコは命綱である。なぜなら、若林はマツコがいなければ、言い間違いや下ネタを笑いにオトすことができないからだ。少なくとも、ほかの曜日の女性コメンテーターたちの関係性は対等で、このような「へりくだり」や「よりかかり」はない。

 権力者にかわいがられることがいかに大事か。その重要性を奇しくも『女性セブン』(小学館)のインタビューに応じた塩村氏も述べている。塩村氏は『恋のから騒ぎ』時代の発言は、注目を集めたいがためと当時を振り返りつつも、「さんまさんに助けてほしい」と結んだ。今回のセクハラやじ問題に、さんまは無関係である。それなのに、なぜさんまに助けを求めるかと言えば、「権力者にかわいがられれば、全て丸く収まる」のが、塩村氏がこれまでに培ってきた「勝利の方式」だからである。

 男女平等は推進されるべきだろう。けれども、男ウケがいい女が「選ばれ て」、男にかわいがられて力を貰うのは、江戸時代の大奥と同じではないだろうか。

仁科友里(にしな・ゆり)
1974年生まれ、フリーライター。2006年、自身のOL体験を元にしたエッセイ『もさ子の女たるもの』(宙出版)でデビュー。現在は、芸能人にまつわるコラムを週刊誌などで執筆中。気になるタレントは小島慶子。
ブログ「もさ子の女たるもの

最終更新:2015/02/10 17:24
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