直接の謝罪なし!? 「Free&Easy」追悼コラムねつ造問題、新たな“疑惑”も
3月に亡くなったイラストレーター・安西水丸さんへの追悼特集で、作家・赤瀬川原平、南伸坊、角田光代のつづった追悼コラムが、担当編集者のねつ造であったことが発覚し、回収騒ぎを起こした「Free&Easy」6月号(イースト・コミュニケーションズ)。赤瀬川夫人が「入院中の主人が書けるわけがない」と日本文藝家協会に訴えたことがきっかけで明らかになったが、出版元のイースト・コミュニケーションズの対応には、現在も出版業界から疑問の声が上がっているという。
「赤瀬川さんの奥さんは、ねつ造を知って、まず同社編集部に電話したそうですが『担当者が不在』と取り合ってもらえず、文藝家協会に助けを求めたそうです。その後、文藝家協会の会誌にこの問題が取り上げられ、公のこととなりましたが、被害に遭った作家陣には謝罪の手紙が届いただけで、いまだ直接の謝罪はないとか。イースト側は6月号の自主回収と7月号に掲載したお詫び文で収束できたと思っているようで、作家側は困惑しています」(文芸誌編集者)
特に、病に伏せている夫をいいように利用された赤瀬川夫人の怒りは収まるはずはない。
「夫人は著作権侵害で訴える意向で、文藝家協会に手続きなどを依頼しています。しかし協会としても前例がない訴訟のために慎重で、なかなか準備は進んでいない様子」(同)
同社は番組制作会社の子会社で、発行物は現在、「Free&Easy」のみ。そのため文芸編集者の間でも同社の知名度は低い。
「『文芸の編集者がチェックする雑誌じゃないから、バレないだろう』という考えだったのでは。編集者間からは、『絶対にあってはならない事件で、もっと大きく報じられてもいいはず』と憤りの声が上がっています。ほかにも、『編集長が気づかないはずがない。編集長自ら指示していた可能性もある』といった声から、『同誌ではこういったことが常に横行し、海外著名人からのコメント記事は、ほぼねつ造だったようだ』といううわさまで聞こえてきます」(同)
ちなみに同誌7月号の特集は、ねつ造騒動をものともせず「本物には理由がある」。あまりにFree&Easyな同社への風当たりは、さらにきつくなるばかりだろう。