サイゾーウーマンカルチャー大人のぺいじ官能小説家が語る「セックスを書く私」 カルチャー うかみ綾乃インタビュー 「男はバカ」と悟った初体験、不倫同棲、父との確執――官能小説家が明かす「セックスを書く私」 2014/06/14 19:00 インタビューうかみ綾乃贖罪の聖女 ――まさに「愛憎入り乱れた」感情を、お父さんに抱いているんですね。 うかみ 私が今、作家の仕事ができるのは、父のおかげであるところが大きい。相撲や柔道の大会で優勝するような恰幅のいい父を、殴り返すことは無理だったので、私は父が一生傷つくであろう言葉で反撃していたんです。これは、人の心をえぐるような言葉を考える訓練になりましたね。それが、小説を書くことに生きていると思います。もちろん、付き合ってきた男のことも、作品にどんな形であれ生かしますけど(笑)、根幹は男ごときでは変えません。やはり私の根幹は父ですね。 ――過去のことがありながらも、お父さんを受け入れ、それを原動力にして執筆しているのですね。 うかみ 父のしたことを受け入れるのではなく、やはりそういった経験をした自分自身を受け入れていると言った方がいいですね。父との間に起こったことは、「しょうがない」と思うようにしています。「しょうがない」という言葉は、全てを肯定するようで、私が一番大好きな言葉です。父のしたことを受け入れられるかは、今後、執筆をしながら昇華していければと思います。 (取材・文/いしいのりえ) うかみ綾乃(うかみ・あやの) 大阪府生まれ、奈良県育ち。2011年『指づかい』(幻冬舎アウトロー文庫)でデビュー。同年『窓ごしの欲情』(宝島社文庫)で日本官能文庫大賞新人賞、12年『蝮の舌』(小学館クリエイティブ)で団鬼六賞大賞を受賞。気鋭の女性作家として、注目を集めている。 <新刊紹介> 『ドミソラ』(幻冬舎) 16歳の時に美しい人生を汚され、心を閉ざした容姿端麗な女・織江と、もともと歪んでいた人生に抗い、全てを手に入れるために作家デビューを果たしたデブで醜い女・由羽。過去の因縁に引き寄せられ、再会した2人の運命が、断末魔の叫びにも似た「不協和音」を奏で始める――。うかみ綾乃、初の文芸エンターテインメント。 前のページ123 最終更新:2014/06/14 19:00 Amazon 『贖罪の聖女』 夢見がちな女のミューズ願望が吹き飛ぶ読後感! 関連記事 真のヤリマンこそ純潔である――『聖娼の島』が投げかけるセックスの意味愛する者を守るときのむき出しの本能? 『姉の愉悦』のインモラルな世界ビジネスとしての展望は? 作家・宮木あや子が語る、女性が感じる官能小説「ブスを笑いたい」「乱暴にせまられたい」、酒井順子が女の欲望を読み解く生活か、セックスか。結婚を控えた女のやるせない渇望を描く『よるのふくらみ』 次の記事 入手困難な「兄さんアイマスク」 >