元フィギュアスケーター・鈴木明子、母にとっての完璧な娘が陥る“恋愛”の落とし穴
世間知らずで、恋愛経験も少ない、どういう人がタイプかもわからない……そんな繊細気質の独身女性の最大の「相談相手」とは誰か。それは母親ではないだろうか。母親の何げない一言を、「こういう人を連れて来い」という「命令」と解釈してしまうこともある。そのせいで、「この人を連れて行っても、お母さんは喜ばないと思う」などと、自分の決断に自信が持てなくなり、途端に及び腰になってしまう。結果、なかなか婚活がうまくいかずに、親子関係まで煮詰まるということは、よくある話だ。
大ヒット中の映画『アナと雪の女王』は、地位も名誉も金もあって優しい、完璧な王子様が出てこないという意味で、画期的な作品と評判だ。王子様なんていないとわかりつつも、どこかで信じることをやめられない女性の心に響いたことだろう。
しかし、既婚女性には「王子様」を手に入れる方法が1つある。それは娘を産むことである。同性の繊細気質な娘は、共感力があり、気遣いがあるので、母親に優しい。真面目な子であれば、地位も名誉も金も手に入れてきてくれる。鈴木のように繊細で優秀な娘は、母親にとって「王子様」なのだ。母親にとっての「王子様」は、息子ではと思われる方もいるだろうが、息子は完璧でなくても、「ダメなところすら可愛い」という意味で、「王子様」というより「彼氏」である。
繊細な独身女性が、距離の取り方に気を付けなければいけないもの。それは、女性誌と母親である。説得力があって影響されてしまうが、全部が全部、真実でもなく、一貫性に欠けることもある。
鈴木明子の第二の人生が、健康と幸福に恵まれるよう祈りたい。
仁科友里(にしな・ゆり)
1974年生まれ、フリーライター。2006年、自身のOL体験を元にしたエッセイ『もさ子の女たるもの』(宙出版)でデビュー。現在は、芸能人にまつわるコラムを週刊誌などで執筆中。気になるタレントは小島慶子。
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