「GOLD」の二枚看板・今井美樹&中村江里子、その背後で甘糟りり子が猛追い上げ?
すっかり普通のファッション誌になってきた雑誌「GOLD」(世界文化社)。5月号では「アイドル」企画でライバル誌「DRESS」(幻冬舎)の最高顧問・秋元康と政治家の田中康夫、さらに薬師丸ひろ子を登場させ豪華な顔ぶれになっていた人気コーナー「Back to ago’80」ですが、今号は「あの頃、広告も楽しかった。」という広告ネタになっています。糸井重里クラスの人物が登場するのかなと思いきや、仲畑貴志が登場。スミマセン、どうしてもネームバリューに欠ける感は拭えませんでした……。次号は期待しています!
<トピックス>
◎若見え名品で艶やかに輝く!
◎本物の美しさは住まいが作る
◎郷ひろみさん宅全公開 週末は湘南ライフ
■甘糟りり子、「GOLD」の顔になる?
ブレンダ42歳、熊沢千絵40歳と40代モデルをどんどん投入しだした「GOLD」。ようやく目線が読者に近くなってきました。企画にも「同世代(50代近辺)のスタイリストが選んだ」という内容があり、これまでより意識的に年齢を取り上げているのがわかります。しかし、問題は「今月の同窓会ワンピース」のページ。ここだけやけにモデルが若い! 調べてみたら年齢こそ35歳のモデルですが、見た目は20代後半。確かに、同窓会では「いかに同窓生より若く見せるか?」が焦点になるとはいえ、このモデルの着ているワンピースをうっかりお手本にしたら非難轟々間違いなし。同窓会で輝く私! を夢想するネタとして留めておきたいところです。
一方で、同誌イメージキャラクターをめぐって下剋上が巻き起こっていました。これまでは今井美樹と中村江里子の2人をイメージキャラとして存在していましたが、今号では中村の影がぐっと薄くなっています。その代わり、全体を見渡すと中村から甘糟りり子にシフトしたのかとも思えるくらいの甘糟推し。フランス在住の中村に対し、関東に住んでいて年齢的にもGOLD世代ど真ん中の甘糟は、読者の等身大に近いかもしれません。しかし、この甘糟さん、実はマガジンハウスの副社長を親に持ち、名前もほぼ本名という“大物”であることが発覚。ネットで検索したら、現在鎌倉に住んでカルチャー的においのする甘糟さんとは、まるで別人のイケイケ時代の画像が出てきました……。これもこれで、バブルでイケイケだった女が行き着き先の姿として、雑誌の方向性と合致してるのかもしれないですね。
■正解は、デヴィ夫人でした
特集「本物の美しさは住まいが作る」は、先月の「肉食女子」に引き続きインパクトのある誌面でした。エイジレスビューティを誇るRUMIKO、エリカ・アンギャルが登場し、これぞ「GOLD」世代の真骨頂! の絵面です。この2人を見ていると、「GOLD」が目指すべき女性像は、これが一番正解だと思えてきました。ゴージャスだけを振りかざすマダムではなく、美魔女のような若作りでもなく、エイジレスで、いや年齢だけではなく国さえもボーダレスな女……。
例えば、デヴィ夫人やマダム路子、この雑誌で絶賛の中村江里子も今井美樹も、誌面ではファッションモデルと同等の扱いしかされてませんが、いわばグローバルでボーダレスな女性。「GOLD」は日本という部分から目線をズラしてみてもいいかもしれません。
■郷ひろみが湘南っていえば、そこは湘南
「郷ひろみ宅全公開 週末は湘南ライフ」企画では、郷のセカンドハウスが紹介されています。なぜ突然の郷ひろみ? という疑問を拭えないままページを見ていくと、その場所は湘南エリアには入らない、“横須賀の陸の孤島”といわれる秋谷……。細かいことを言いいますが、秋谷は確かに葉山と海続きですが、湘南じゃありません。GOLD世代にとって湘南は魅力的な地名であるだけに、ホントの湘南は茅ケ崎、藤沢、鎌倉までだということも知っているはず。付け焼き刃な知識でプレゼンすると、信頼を失いかねませんよ~。
そんなことより、湘南生活の自然派を気取って郷が寛いでる姿が載っているんですが、目が行ってしまうのは立派なお家よりもシワ取り後の痛々しいお顔。「若い嫁と結婚したからって無理しちゃったのね……」と同情的になってしまいました。スミマセン。こうなりゃ、開き直って「GOLD」読者に先陣切ってシワ取り整形を勧めてみるとかどうでしょう?
さて、段々と雑誌の方向性が固まったかのように見える「GOLD」。そんな中、地味に浮いてきたのは、創刊号では巻頭の方に存在していたのに、ついに最後に追いやられてしまった牛窪恵のコラム。どこのポジションに据えたらよいのか、編集部も迷っているのかも?
(中島ホタテ)