「かわいい」「女子」ブームが本格的に終焉、美容界の向かう「強さと美しさ」の潮流
■これからは「強かな女」は、褒め言葉に?
「したたか」とは漢字で「強か」と書く。辞書で調べると、「粘り強くて、他からの圧力になかなか屈しないさま。しぶといさま」、「強く、しっかりしているさま」とある。攻撃的に力で相手を打ち負かす強さというよりは、確固たる自己を確立し、それを守り抜く内なる強さを表しているように思う。世間で「したたかな女」というと、あまり良い意味ではなく、狡猾で目的の為なら手段を選ばないというイメージがあるが、言葉の本当の意味から少しずれて伝承されてしまっているようだ。
多くの女性が、自分の肌は敏感だと感じている「自称敏感肌」だという。自分を大切にするのはいいことだが、過保護にしてしまう可能性もある。この際、思い切って思考を変えて、自分の強いところを探してみてはどうだろうが。肌が強い、歯が強い、髪が強い、胃腸が強い、気が強い、メンタルが強い……なんでも良いが、自分の「強い」と思うところを探してみよう。それが、あなたの美しさにつながるかもしれない。
「自分に自信を持とう」「自分を好きになろう」と、いろいろな自己啓発本に書いてあるが、なかなかすんなりとできるものではない。それならば、自分の強いと思えるところを「美しい」に変えて自分を認めてあげるほうが簡単だ。自分は、もしかしたら自分が思っているよりもずっと「強い」のかもしれない。そう思えたら、「強かな美しさ」に一歩近づいているはずだ。女性の持つ「強さ」が「怖さ」ではなく「美しさ」に変わる、まさに変革期を迎えているのかもしれない。
恩田雅世(おんだ・まさよ)
コスメティックプランナー。数社の化粧品メーカーで化粧品の企画・開発に携わり独立。現在、フリーランスとして「ベルサイユのばらコスメ」開発プロジェクトの他、様々な化粧品の企画プロデュースに携わっている。コスメと女性心理に関する記事についての執筆も行っている。
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