SMAP・中居正広&舞祭組の“お約束”コントで悲しかった、乃木坂46のホステス扱い
今回ツッコませていただくのは、5月5日放送分『UTAGE!』(TBS系)。ゲストはSexy Zone、レギュラー出演者には「MC:中居正広、進行:渡辺麻友、IVAN」とあるものの、まゆゆが「進行」している姿はほとんど見たことがなく、レギュラーではない「舞祭組」が毎週漏れなく出演する不思議な番組。
しかも、一番の見どころも、舞祭組が「毎回ハモリで失敗する」「毎回放送事故を起こす」ことらしい。「毎回言いますけど、1回しかやりませんから! 恥をかいたら恥をかいただけ」(中居)→「放送事故になるのは舞祭組だけですから!」(舞祭組)という “お約束”が毎回繰り返される。おそらく「ヘタが面白い」という流れらしいのだが、本来、盛り立ててもらっている舞祭組すら可哀想に見えるのは何故だろうか。「毎回しくじる」ことがプロの仕事って……。
舞祭組のファンは中居のイジリに感謝しているようなので、そこはウィンウィンの関係で良いのかもしれないが、ファン以外の一般視聴者から見ると、「田舎の中小企業の社長が、会うたびに言う同じオヤジギャグに、毎回律義にリアクションせざるを得ない新入社員たち」の構図のようで、痛々しくて心が痛む。さらに今回最も痛々しかったのは、乃木坂46の扱いだ。
Hitomi&Aya(E-girls)が歌う時に、「ジャニーズJr.」状態でバックダンサー(というか、単に風船を投げる役)をやらされた後、モーニング娘。の曲を歌わされる。そして、シングルリリースの宣伝で来たのかと思いきや、持ち歌は一切歌わせてもらえず、挙げ句、舞祭組と手をつないで踊る女性ダンサー役までやらされる始末だ。
これって、AKB48の人気に翳りが見えてきたことで、最近のぼり調子の乃木坂46を推していきたいAKB側の意向と、「古参のAKBより、フレッシュなキレイどころと仕事したい」というジャニーズ側の意向とが合致した結果なのだろうか。ただし、乃木坂46は、完全なホステス状態で、何の宣伝にもなっていない。さらに、乃木坂メンバーと「手をつないだ」と語る舞祭組と中居との間では、こんなやりとりがある。
「Sexy Zoneも舞祭組みたいになると、(女性アイドルと)絡めるよ」(舞祭組・二階堂高嗣)
「アホか! (Sexy Zoneは舞祭組を)目指してねーよ! これ、俺からの忠告な。絶対に舞祭組は目指しちゃいけないから」(中居)
社内の「アイドル枠・Sexy Zone」と「非アイドル枠・舞祭組」の役割分担は良いとして、それを社外に持ち出し、一方的に「絡める・絡めない」なんていう道具として語られる乃木坂46。これから本格的に売り出すところだろうに、彼女たちの「事情」や、そのファンの思いはまったくおかまいなしなのだ。
せめてもの救いは、現センターの西野七瀬や、人気メンバーでクールな橋本奈々未がこの「茶番」に不在だったことや、人気メンバーの中で駆り出されたのが「ジャニオタ」として知られる白石麻衣だったことくらいか。
いろいろ心が荒む番組だが、そんな中、唯一良心を感じるのは西川貴教、デーモン小暮など、毎回ちゃんと歌のうまい「歌唱力担当」を1人は配置していること。しかも、今回個人的に一番驚いたのは、「歌唱力担当」がデーモン小暮1人でなく、トータルテンボス・大村朋宏が予想外に非常にうまかったことだ……と思いきや、よく見たら、トータルテンボスじゃなくて、CHEMISTRY・川畑要だった。こんなに似てたっけ? それとも、2人並ばないとCHEMISTRYってわからないのかも?
(田幸和歌子)