死に体「リンネル」を救う「リンネル オム」、非モテとエリンギみたいなコーデが中毒性アリ
先月は中身がスッカスカだった「リンネル」(宝島社)。6月号もタイアップだらけで編集ページが薄い。編集部の「ウチらは雑誌を作ってるんじゃない、安い付録バッグとカタログを作ってるのだ~!」という開き直りの叫びが聞こえてきそうです。看板モデル・菊池亜希子の連載紀行エッセイも、90行から12行に大幅削減されていて、露骨に省エネ運転モード。「好きなんです、旅が。」がキャッチフレーズのエッセイなのに、3月号からずーっと四国をウロウロしているし。要するに撮りだめしてるんです。だから、ファッション誌なのに菊池の服装が真冬のままで季節感もまるでなし。やる気なさすぎ!
出版元の宝島社は、この春、40~50代向けのライフスタイル雑誌「大人のおしゃれ手帖」と、35歳以上向けのファッション誌「オトナミューズ」を創刊させました。「オトナミューズ」は毛色が違うのですが、「大人のおしゃれ手帖」は、以前「『リンネル』特別編集」のムックとして刊行されていたという経緯があり、編集長も「リンネル」の編集長が兼任しているので、テイストがかなり似ています。比較的若いモデルを起用しながらも、実際の読者はアラフォーやそれ以上も多いと思われる「リンネル」。もしかしたら読者が大量に「大人のおしゃれ手帖」に流れ出る可能性もあります。そのうち吸収合併もあり得るかも。それを見越しての消化試合ということでしょうか。そんなあらぬ推測をさせられてしまうほどの、内容の薄さなのです。
<トピック>
◎菊池亜希子のまたたび vol.10
◎Liniere Homme[リンネル オム]
◎春を歩く大人の女子旅 新しくて懐かしい台湾
■時代は、非モテファッション
というわけで、社内競合誌の脅威にさらされている「リンネル」なのですが、今月号を読んで「この荒波を乗り越えるには、ただ一つ、この方法しかない!」と悟りました。その方法とは、男性誌化です。というのも、今月号に男性向け企画「リンネル オム vol.2」が掲載されていたのです! vol.1の時はモデルが「えのきだけ」っぽいとご紹介したのですが、今回は「エリンギ」に昇格しています。ヘンな比喩じゃないんですけど、vol.1はただのナヨっとした菌類だったのが、vol.2はそこに太さが加わって男っぽくニョキっと成長しているのです。たった12ページの企画なのに、そのインパクトたるや。一刻も早く「リンネル」は男性誌になるべき。絶対その方がいいって!
エリンギに昇格した「リンネル オム」を具体的に見ていきますと、最初の扉ページに小林薫と光石研が登場しています。62歳と52歳のオッサンが、「ナチュラル系男子」代表としておしゃれを語っているのです。しかも! 光石研は膝上のショートパンツにハイソックスを履いて、Vネックカーディガンを着ています。小学生コントにしか見えません。驚くべきことに、これは衣装ではなく私服だそう。それを小林薫が「その短いパンツいいね」と誉めています。これがおしゃれなのか、筆者にはサッパリ理解できませんでした。