サイゾーウーマンカルチャー女性誌レビュー平坦な日常を絶賛する「リンネル」 カルチャー [女性誌速攻レビュー]「リンネル」1月号 なんでもないことが幸せ、「リンネル」に張り巡らされたTHE 虎舞竜スピリット 2013/12/11 21:00 女性誌速攻レビューリンネル 「リンネル」2014年1月号(宝島社) 「リンネル」1月号(宝島社)の表紙は、巷で“ファム・ファタル”または“獰猛すぎる女優”として知られる蒼井優。インタビューページで、現在上演中の舞台『グッドバイ』で共演している段田安則について次のように語っています。 「段田さんの芝居をすぐ側で見ていられるのが幸せで……。実は私と段田さんは、好きな中華料理屋さんが同じなんです(笑)。稽古場の近くなので、今度一緒に行こうねって約束しました!」 逃げて、段田サン、今すぐ舞台から飛び降りて逃げて……! と念を送ってしまったのは筆者だけではないはず。と同時に「ホホゥ、そうやって狩るのか」と感心してしまったのも筆者だけではないはずです。あのオーガニックフェイスで「私もその中華料理屋さん好き~、一緒に行こ!」と言われると、やっぱり安心安全と信じ込んで行っちゃうんですかね、男ってやつは……。 <トピック> ◎秋から冬へ 季節を楽しむ重ね着 ◎ハンサムブーツで1週間 ◎冬の仕事が楽しくなる道具を厳選! “家仕事道具”大賞 ■リンネル女子の日常があらわに 特集「秋から冬へ 季節を楽しむ重ね着」の中から「気温別 秋から冬の着まわしダイアリー」を見てみましょう。些末なことと思われるかもしれませんが、着まわしシーンに添えられている説明文に注目したいと思います。説明文というのは、例えばキャリア志向の女性誌では「今日は大事なプレゼン。デキる女のスーツで出社!」、愛され志向の女性誌では「彼の両親に会うことに! 万能ワンピの出番だよ☆」と、コーディネートの横に付けられている上滑り気味のコピーのことです。どんなシーンを想定しているかは、その雑誌の性格をよく表しています。その雑誌が考える理想の読者はそこにいる、と言っても過言ではありません。で、「リンネル」はどうかといいますと……。 「心地よい日差しの午後。自転車で隣町までお散歩」 「天気のよいあたたかい日はオーガニックカフェで野菜たっぷりのランチを」 「来年の手帳を買いにお気に入りの文房具店へ」 「やわらかな日差しのカフェでのんびりゆったり読書タイム」 「リメイク用のボタンを探しに手芸店をはしご」 「友人のおうちでごはん会。手土産は何にしようかな?」 「赤を効かせたガーリーな装いで友人と美術館へ」 「気になっているソファを見に、友人と家具屋さんへ」 「お散歩の途中でかわいいお店を発見」 すんごいヒマそう! でもって結構天気に生活が左右されてる! もちろん、あくまで“想定”なので現実とは距離があるとは思いますが、いわゆる「ていねいな暮らし」が大好きな「リンネル」読者は、上記のように小春日和にお散歩したり読書したり美術館に行ったり、ゆったり過ごすことを理想のライフスタイルとして掲げているんだろうなということがわかります。こんな女子、どこにいるんかいな……と考えてみたら、身近に究極のリンネル女子がいました。ウチの母(68歳)です。毎日お散歩してます。カフェじゃないけど、こたつでお茶を飲みながら読書(「婦人公論」を含む)してそのまま昼寝しています。茶菓子を持って友人宅に行くのが大好きです。ごくたまにガーリーな装いで催事に出かけたりもしています。彼女はリンネル女子だったのか、なるほど。 12次のページ Amazon リンネル 2014年 01月号 [雑誌] 関連記事 「リンネル」に男版が登場! きのこのようなコーデとゆらゆらした存在感が衝撃“食べて買って遊んで”はNG! 窯元巡って行きつけバーを作る「リンネル」旅特集ライブに犬の散歩……「リンネル」推奨の浴衣シーンが謎すぎ!フォーマル白装束もカタカナ職業も……「リンネル」の“私らしい”は安易過ぎ!ゴリゴリにとがった自己顕示欲を隠す、「リンネル」の“ほっこり”白アイテム