サイゾーウーマンカルチャーインタビュー伝説の総長が、『ヤカラブ』を語る! カルチャー 紫優嬢四代目総長・中村すえこ氏インタビュー 90年代伝説のレディース総長が読み解く、『ヤカラブ』の現代ヤンキー少女の恋とセックス 2014/05/11 19:00 インタビューヤカラブ中村すえこ紫優嬢 紫優嬢時代のすえこさん ――それは、ヤリマン扱いされるから? 中村 変な話、私たちの周りには、3日ごとに彼氏を替えても、ちゃんと「付き合ってからセックス」しているならいいという価値観があったんです。付き合ってもいないのにセックスをしている子は「ヤリマン」っていう。そのけじめがきちんとつけられていないと、バカにされちゃうんですよ。私たちはとにかく「硬派でいることがカッコイイ」とされてましたから。愛する男も1人っていうのがカッコイイ。 ――すえこさんの自伝『紫の青春』(ミリオン出版)を読むと、確かにレディースはルールや規則が厳しいですよね。 中村 そうですね。目標というか、自分が今進んでいる道というものが明確にあったので。例えば、レディースとして全国制覇するといった、笑っちゃうような目標ですけど。だけど今の子たちの方が、いろいろなことに迷って、悩みながら進んでいるように感じる。目標とか目的が見えない。 一方で、たくさんの選択肢があって、すごく自由でうらやましいとも思う。私は好きで紫優嬢をやっていたけど、地元でもし目立つことをしたいのならば「レディースに入らないとできなかった」っていうのもあったから。今は自由ですよね。男関係も口に出して言えるし。私なんて、今でも過去は隠したいですよ(笑)。 ――『ヤカラブ』の男性像についてはどうですか? 中村 ここに出てくる男は「勝手な男」だと思う! でも、女の子は相手に一途で、その付き合いがいい終わり方をしなくても、男のことを悪く言わないですよね。いい思い出として終わらせているなと感じました。私も一途ではあったけど、そんな男だったら、別れた後に追い込みかけてたかも(笑)。 いわゆるヤンキーの子たちが、相手に一途になってしまうのは、早い年齢で恋をするからでしょうね。自分が何者かもわからない状態で。自分のこともどうにかできない幼い自分が、相手をどうにかなんて絶対できないんだけど、とにかくどうにかしたいんです。もうそれだけですね。 ――すえこさんも「13歳で同棲した」と書かれていましたが、『ヤカラブ』の子たちも、かなり早い段階で同棲しています。 中村 この本には「居場所がなかった」「彼と過ごす時間が全て」と書いてありますけど、すごくよくわかります。私も家に両親がいなくて1人の時間が多かったし、そういう寂しい時間を一緒に過ごせて、しかもそれが好きな相手だったら、彼が全てになっちゃうなって。私は今、非行に走ってしまった子どもたちと関わっているんですけど、やっぱり大人からの絶対的な愛が足りない。そういうのもあって、男に対しての愛情の表し方がわからないんですよ。 ――今も昔も不良少女たちは、なぜ不良や暴走族といった「強い男」「危険な男」に惹かれるのでしょうか? 中村 本能だと思います。より多く狩りができそうな男を求めるというね。ヤンキー少女は、今も昔も、基本あまり考えてないで本能で動いているから。 それから、ヤンキーには尽くす女が多いんですよ。「私がどうにかしてあげなきゃいけない」という「ナイチンゲール症候群」の女だからこそ、そういう男に惹かれてしまうのかも。『ヤカラブ』にもいましたよね。DVの男に苦しめられながらも「この人は、私がいないとダメなんだ」って思い込んでいる子が。母性本能が強いのかもしれませんね。 ――なぜ、母性本能が強くなるんでしょうか? 中村 親や周りの人から愛されてこなかった子が「自分はこうされたかった」というのを、男にしてしまうというのはあると思います。別にその男が「助けてくれ」って言ってるわけじゃないのに、先回りして助けようとしちゃう。結局それで、男をダメにしちゃうんですけどね。 ――すえこさんは紫優嬢に入ってから、男性に対する意識の変化はありましたか? 中村 今思えば、当時は「男に負けたくない」という気持ちが強かったかもしれません。なかなか女だけで走るのが難しかった時代だから、結局男を頼らないといけないんだけど、でも全部おんぶに抱っこじゃなくて、自分たちができることはしたかったし、男性のチームからも認めてほしかった。男とただ一緒にいるだけより、紫優嬢の活動の方がアドレナリンが出ていたのは確かです。『ヤカラブ』の子たちは、ヤンキー少女だけど「男に負けたくない」という感情はないですよね。彼女たちは、そういう「女は男より弱い存在」「だから男に認められたい」という価値観からも、もう自由なんじゃないですか。もしくは人にあんまり干渉しないのか。 ただ……当時も、暴走族の男の先輩で、レディースの子を彼女にしてる人はいなかったですね。嫌だったみたいですよ、自分の女がグレてるっていうのが(笑)。先生に目をつけられてる女の子くらいが、ちょうどよかったみたい。 ――『ヤカラブ』に出てくるのは、アイドル事務所に入っているとか、109のショップ店員とか、比較的モテる・容姿に自信がある目立つタイプの女の子ですよね。レディースの中でも「モテてる女がエライ」という風潮はありましたか? 中村 私たちはとにかく仲間意識が強くて、同時に、はじかれるのがイヤだったので、「誰か1人が目立ったりモテたりしたら、周りはいい気がしないだろう」という意識が強かったですね。女同士の中で「モテる・モテない」があると気まずいでしょう。まぁでも、きっと心の中ではあったと思いますよ。「この女には負けてねぇだろ」とかは。それより、私たちの時代と決定的に違うなと驚いたのは、10代の女の子が「セックスが気持ちいい」と言っていることですよ。 前のページ123次のページ Amazon 『ヤカラブ』 関連記事 能年玲奈実写化で話題の『ホットロード』、ホンマモンの暴走族はこう読んだ! ノー・モア・ファイト! 本場アウトローの女が教える、ヤンチャな男との付き合い方掲示板を一分おきに確認......キャバ嬢の"病み"と繋がる「ホスラブ鬱」デコトラ、ビーバップ、パンチパーマ......女性が読むべきアウトロー企画!女は手当たり次第、喧嘩はすべて買う――TOKIO・山口達也の実弟・Kouzyインタビュー Facebook Twitter プッシュ通知を受け取る クリックしてプッシュ通知を有効にする クリックしてプッシュ通知を停止する 暮らしのおすすめ記事 【久世福商店】68品を約43円値上げでも……おいしすぎてお取り寄せ決意の388円逸品は? 食べ物 手延そうめん【揖保乃糸】長野・群馬で販売の3,600袋→自主回収 食べ物 【無印良品】エイジングケアシリーズおすすめランキング、1位は? ハッキリ言って神価格! カラダ 「小僧寿し」に買収された【タコベル】、 850円ブリトーセットで「なんだこれ!?」驚きのワケ 食べ物 【マクドナルド】オレンジジュースM・Lサイズ販売休止の一方――急増加の350円生絞りオレンジ自販機とは? 食べ物 暮らし一覧へ 男性アイドルのおすすめ記事 KinKi Kids・堂本剛、イライラしたときに聴くのはあの曲! 「いつかカバーしたい」 堂本剛 Snow Man・目黒蓮&宮舘涼太、札幌ドームのライブに感激!「言霊ってある」「うれしくて……」 宮舘涼太 Sexy Zone・菊池風磨、“匂わせ疑惑”を否定! 「揉めてほしくない」と騒動憂う 菊池風磨 嵐・相葉雅紀、「英二くんは、飲みに行っても……」 バイきんぐ・小峠のルーティンとは? 相葉雅紀 TOKIO・松岡昌宏、「俺とお前だけじゃん、独身」――NEWS・増田貴久と“結婚”語り合う 松岡昌宏 男性アイドル一覧へ