リキッドファンデ、BB、CCクリームの成分は同じ!! 化粧品開発者が明かす禁断の真実
――実際に使ってみると、リキッドファンデーション、BBクリーム、CCクリームでは、テクスチャーの違いを感じます。「CC>BB>リキッドファンデーション」の順で、つけ心地が軽く、肌に優しいイメージです。
尾崎 確かに、あえて違いを挙げるとすれば、テクスチャーが違います。いろいろなCCクリームを見ていると、揮発性のあるシリコーン(シクロペンタシロキサン)の量がBBクリームより多めだなと。これは、肌にさらさら感を感じさせるシリコーンなので、爽快感・つけ心地が軽い印象になりますね。
ただ、お肌への負荷(優しさ)は軽い・重いだけでは判断できません。配合されている成分の化学的な特性からの判断になります。つまり、つけ心地が軽いからといって、それが直結して「肌に優しい」わけではないのです。例えば、UV効果のある酸化チタンや酸化亜鉛などの紫外線散乱剤は、粉っぽくて、つけ心地が良いとは言えないんですが、肌への負担は少なめ。一方で、同じUV効果のあるメトキシケイヒ酸オクチルなどの紫外線吸収剤は、肌にスッと伸びてつけ心地が良いんですが、肌への負担が重いんです。
――では、リキッドファンデーション、BBクリーム、CCクリームをどうやって使い分ければよいのでしょうか?
尾崎 名前が違っても調理過程が同じような料理があるように、作り方の理論は3種類とも同じ。なのでやはり「好きなテクスチャー」と「好きな肌色の出方」で選べばいいと思います。例えば同じCCクリームでも、年齢によって違う使い方をするとか。若い女性は、美容成分が入っていなくても、つけ心地が軽いので「彼氏とのお泊まり用」に使い、ある程度年を重ねた女性は、それだけで仕上げるのではなく、日焼け止め感覚で使うとよいのではないでしょうか。
それから、あるメーカーのリキッドファンデーションを使って、肌に合わなかった場合、同じラインのBBクリームやCCクリームに変えるのはオススメしません。同じメーカーだと、同じ成分を使う場合が多く、形態を変えても合わない成分が入っている可能性が高いので、別のメーカーのアイテムを使ってみる方がいいかもしれません。
(取材・文/碧)
尾崎幸子(おざき・ゆきこ)
化粧品開発者/コスメ成分アドバイザー
文系の大学を卒業後、人材ビジネスに10年間従事するも、シャンプーのPRに関わったことを機に化粧品に興味を持ち、大手化粧品メーカーの開発などを手掛ける化粧品開発コンサルタント・岩田宏氏に弟子入り。化学の基礎から化粧品処方までを学び、2013年11月、自ら開発したジェネリックコスメ「MUQ」を発売。自身が皮膚疾患を抱えていることもあり、体に優しく、正しく機能する化粧品を現在も開発中。日々ビーカーを片手に実験に勤しみながら、客観的に正しいコスメ情報を発信すべく、「コスメ成分アドバイザー」としても活動中。
公式サイト