アヴリル・ラヴィーンのMVが一時削除? 「日本人への最大の屈辱」と大バッシング
アヴリルもTwitterで、「人種差別主義者ですって??? 爆爆爆!!! 日本の文化が大好きで日本に入り浸ってる、このアタシが? このビデオはわざわざ東京に行って撮影したのよ。アタシの日本のファンに捧げるために、アタシの日本のレーベルと、日本人振り付け師と日本人監督と一緒にね」と説明し、憤りをあらわにした。
今回、アヴリルのMVがここまで「人種差別」だとバッシングされているのには理由がある。05年に、アジア人女性として初めてハリウッドで成功を収めたコメディエンヌのマーガレット・チョーが、グウェン・ステファニーの「Harajuku Girls」について、「アメリカで生まれアメリカに住み、アメリカの芸能界で活動する私が、アジア人に対する(ネガティブな)固定観念を大げさに描いたHarajuku Girlsを好きになることは、どうしてもできない」と発言したからだ。マーガレットは、アジア人の女性たちが個性を無視され、同じイメージで見られていることに嫌気が差しており、「アメリカで活躍しているアジア人は本当に少ないからね。Harajuku Girlsも活躍しているだけマシだろってことなんだろうけど」と、Harajuku Girlsは人種差別を絵に描いたようで不愉快だと批判したのである。
日本では、「日本が好きで、日本の文化を作品に取り入れてくれるなんてうれしい!」と素直に受け止める人が多いようだが、さまざまな人種が混じり合うメルティング・ポットのアメリカでは事情が違う。マーガレットも、「アメリカで生まれたアメリカ人だっていうのに、いまだに、『で、あなたは本当はどこ出身なの?』と聞かれる」とうんざりしている。彼女は韓国系なのだが、白人や黒人のアメリカ人にそんなことを聞くアメリカ人はいないことから、「アジア系はアメリカ人として見られていないことが嫌になる」とも発言している。その上、「アジア人女性は、誰もが似合いもしない変な格好をしており、個性がない」と見下されることに我慢できないのだろう。
なお、アメリカの音楽ファンの多くは「Hello Kitty」にはアヴリルらしい尖ったロックな要素が1つもないこと、これまでの彼女の作風とは大きく異なることから、「あまりにもひどい音楽」「聞くに堪えない曲」だと叩いており、「こんなひどい曲と日本の文化を融合させていることが、日本人に対する最大の侮辱」という声まで上がっている。
「Hello kitty」は、アヴリルが再婚相手のチャド・クルーガーと共同制作した作品でもあり、彼女の思いが詰まった曲だともいわれている。しかし、いまだ物議を醸しており、アヴリルへのバッシングは当分続きそうだ。