アヴリル・ラヴィーンのMVが一時削除? 「日本人への最大の屈辱」と大バッシング
カナダ出身のロッカー、アヴリル・ラヴィーン。156センチともいわれるスリムで小さな体がはじき出す、パンクでロックな彼女の音楽は世界中で愛されている。そんなアヴリルの新曲「Hello Kitty」のミュージック・ビデオ(以下、MV)が22日、「YouTube」で公開されたのだが、すぐに削除されてしまった。このことをいち早く報じた米ゴシップ芸能サイト「Hollywood Gossip」は、「Hello Kitty」のMVはアジア人のネガティブなイメージが描かれた人種差別的な作品だとし、人権団体から抗議を受けて削除したようだと伝えた。なお、現在はMVを見ることができる。
米音楽専門誌「ビルボード」も、「『Hello Kitty』のMVは、見る者を困惑させる恥ずかしい作品」と手厳しく酷評。大手芸能誌「エンターテインメント・ウィークリー」は、「侮辱的なのか、もしくはわかりやすく侮辱しているのか。どちらなのかが重大な問題だ」とし、日本の文化に夢中になっていると思わせつつ、面白おかしく描いていると手厳しく評価した。
「Hello Kitty」は昨年11月にリリースされた、5枚目のアルバム『アヴリル・ラヴィーン』に収録されている曲。同年6月に受けたインタビューで、「ハローキティが大好きなの。虜になってるの。だから『ハローキティ』って曲を書いたの。楽しい曲よ。パジャマ・パーティー的なキティを愛する曲なの」「エレクトリックなバイブのある曲で、アタシっぽくないけど。というか、初めて経験するジャンルの曲なんだけど」と説明しているように、彼女らしくない日本っぽいサウンドで、ハローキティへの愛を楽しく歌った作品である。「みんな、サイコー」「ありがとう」「かわいい」という日本語も入っており、彼女を応援している日本人へのファンサービスという印象も受ける。
しかし、米メディアや音楽ファン、ネットユーザーたちは、「アジア人をバカっぽく描いている」「アジア人のネガティブなイメージを詰め込んだ作品」だと酷評。とりわけ、髪の毛を似合いもしない色に染め、タイツにショートパンツという奇妙なファッションで無表情な4人のバックダンサーの存在が、「アジア人をバカにしている」と受け止められたようだ。10年前に日本の原宿が大好きなグウェン・ステファニーが、日本のポップカルチャーを詰め込んだ「Harajuku Girls」なるグループを作り、MVやパフォーマンスに登場させていたことがあるが、それを真似た「コピーキャット」だと叩く者も多い。
「YouTube」にアップされた「Hello Kitty」のMVがすぐに削除されたことについて、アヴリルの代理人は、「このMVは23日の午後にプレミア公開されることになっていたのに、フライングしてしまったため、公開されるまで再生できないような処置を取った。削除ではなく、再生できないようにしているだけ」と説明。