“自称ブス”の自虐女・菜々緒が、「ビジネスブス」であること決定づけた瞬間
羨望、嫉妬、嫌悪、共感、慈愛――私たちの心のどこかを刺激する人気芸能人たち。ライター・仁科友里が、そんな芸能人の発言にくすぐられる“女心の深層”を暴きます。
「昨日何回ブスって言われたか、覚えてないくらい」菜々緒
『未来シアター』(3月31日放送、日本テレビ系)
藪から棒になんですが、過剰に自慢しいな女と、過剰に自虐をする女。どっちがイヤですか? 私は、自虐する女の方がイヤである。自慢しいも好きではないが、そういう人たちは自分がしゃべりたいだけなので、存分にしゃべらせておけば満足する。
しかし、自虐は違う。彼女たちは常に返事を待っている。同性のマナーとして、「そんなことないよ」とか「(自虐的なところが)面白い」などと、ほどよく否定と肯定をしてあげなければいけない。こちらに負担を強いるという意味で、自慢しいより面倒くさいのだ。
芸能界において、自虐とは一般的には芸人のものである。しかし、時々、モデルやアイドルなど際立った美を持たなければ成立しない職種の女性が、自虐を展開することがある。一言、二言程度の自虐なら、謙虚と受け取ってくれる人もいるだろうが、あまり何度も言われると、「しつこい」と辟易とすることがある。
今、最もしつこい自虐をくりひろげているのは、モデルの菜々緒だろう。身長172センチ、股下85センチ、九頭身という素晴らしいスタイルの持ち主で、レースクィーン、モデルをへて、現在は女優業にも進出し始めている。
その菜々緒、「私はブス」発言をすることが多い。Twitterでお笑い芸人のバカリズム、アイドリング!!!の菊地亜美と会話中、突然「升野タン(※バカリズムのこと)、私、ブスだよ!」と発言。バカリズムは「そんなことないよ」と言葉少なめに答え、菊地は「ななおさん、ごめんなさいね」(原文ママ)と謝り、2人をおろおろさせた。
『関ジャニ∞のジャニ勉』(関西テレビ)に出演した際も、「私ってブスなんです」と発言し、会場を軽く引かせた。菜々緒いわく、「頭の鉢が張っている、眉とまつ毛がない、お尻に肉がなく扁平」なところが「ブス」だそうだが、司会の関ジャニ∞は「いや、そんなことないと思いますよ」と低いテンションで応じた。
冒頭の「昨日何回ブスって言われたか、覚えてないくらい」という発言も、親知らず抜歯後の菜々緒の顔が四角く腫れてしまい、それを見た母親に、ブスとからかわれたエピソードを披露したものである。この発言に対し、司会の羽鳥慎一、共演のNEWSの小山慶一郎、加藤シゲアキは、否定も肯定もせずに、笑うにとどめた。