少年から男へ……ジャニーズJr.永瀬廉の放つ、「少年」の危うく脆い美しさを味わう
今回ツッコませていただくのは、『まいど!ジャーニィ~』(BSフジ)に出演中で、関西ジャニーズJr.のユニット「なにわ皇子」の1人・永瀬廉。
永瀬廉のことは以前から気になっていたが、取り上げるのはまだ早いと思っていた。なぜなら、知名度も歌(声は良い)やダンスなどのスキルもまだまだだということ。そして、この春に中学を卒業するという年齢も、見た目も、おそらく精神的にも、まだあまりに幼いからだ。
公式では身長約170センチ。最近はさらに伸びているようにも見える。すらりとしたスタイル、鼻筋の通った涼しげな小顔は、大勢の中でもパッと目をひく「華」がある。おまけに、中身もまったくスレていない。『まいど!~』では、甘い言葉をささやくキャラになっているが、一般中学生より幼く見える。たとえば、『まいど!~』では、ゲストが話す時、背筋を伸ばして手を膝に置き、体ごとゲストの方を向いて話を聞くという素直さがよく見られる。学校の先生の話を真剣に聞く、真面目な普通の中学生そのものだ。
また、3月9日放送分で、ゲストの野球選手・片岡安祐美にバントを教わる際、バウンドしたボールがKinKan・平野紫耀の股間を直撃した時には、本当に楽しそうに爆笑し続けていた。「仕事」と忘れていそうな素のリアクションはちょくちょく見られ、時にはカメラに背を向けて、後列の先輩の話を真剣に聞きすぎてしまうこともある。また、もともと人見知りのせいか、時々キョドッてしまうところや、トークがたどたどしいところ、転校により全国を転々としてきたためか、関西ジャニーズJr.ながら関西色に染まっていないところも新鮮だ。
さらに、ユニットの枠を超えた平野との組み合わせが人気急上昇となっている今も、いわゆる「腐売り(BLなどが好きな腐女子ウケを狙うこと)」「ビジネス仲良し」ではなく、普通に平野が大好きらしく、子犬のようにじゃれつき、ファンをますます湧かせている。急激にミーハーファンを多数獲得している一方で、長身イケメン+幼稚すぎる中身の「ギャップ」は、濃いオタク心も着実に捉えている。スキルが何も伴っていない今も、すでにスターの予感しかしない。
ところで、そんな永瀬廉のことをなぜ急に書こうと思ったかというと、スキルのおおらかな成長ぶりに比べて、身長の伸び方やイケメン化のスピードが速すぎるからだ。2012年頃、関西ジャニーズJr.のユニット「Aぇ少年」で脇にいたときは、普通の子どもだった。当時はこんなにも美しくなるとは予想できなかっただけに、なにわ皇子に抜擢した社長(あるいは上層部?)の「選球眼」は恐ろしいと思う。
世に数多いるイケメン俳優などとジャニーズが一線を画しているのは、無邪気な少年から青年への「変化」を見ることができるところ。そして、その「変化」の先が読めない面白みだと思うのだが、永瀬廉のビジュアルは今、ひとつの頂点に向かっている気がする。
例えば、『人間失格』のKinKi Kids・堂本剛や、『魔女の条件』(いずれもTBS系)のタッキー&翼・滝沢秀明、『探偵学園Q』(日本テレビ系)のHey!Say!JUMP・山田涼介など、デビューを前に花開いた例を見ると、その後もどんどんカッコよく美しくなっていったとはいえ、少年期の「危うく脆い美しさ」は瞬間的なものだった。
また、ジャニーズだけでなく、一般的に男は大人になるにつれて「顔が長くなる」「デカくなりすぎる」「“男”になる」「ゴツくなる」「ゴリラになる」「(顔が、毛が)濃くなる」「太る」などの変化を迎えてしまうケースも多い。
まだまだスキル的には「普通の子ども」だが、ビジュアルは頂点に向かいつつある永瀬廉。ジャニーズWESTのデビューが発表されたばかりであるだけに、しばらく関西からのデビューはないと見られるが、今のこの瞬間の、「男」になる前の中性的なビジュアルを冷凍保存、あるいは真空パックしておくことはできないものだろうか。
(田幸和歌子)