萌え袖大好きorジャンプマインドな男子に、「CLASSY.」のこなれファッション通じず!
■木の実ナナは一日にして成らず!!
「CLASSY.」がカジュアルに「上品さ」や「女らしさ」を加えてきた背景には、20代前半の女のコとの差別化もあるのでしょう。「本当はコワイ!? 美容の話」には、忍び寄る老いにナチュラルばかりではいられない「CLASSY.」女子たちの苦悩が垣間見えます。「粗を隠すための厚塗りでひどい乾燥肌に」「ボトックス注射で表情が暗く」「鼻毛脱毛で体調不良に」……。もしかしたら20代後半から30代前半のこの世代が、もっとも敏感に失われつつある若さを痛感するのかもしれません。そして、さらに結婚への焦りを増幅させるのかも……。
そんな「CLASSY.」読者への救世主となるか。続いて紹介しますのは「もし私に『年下カレ』ができたら…」。ついに「CLASSY.」が年下男子市場に乗り込んできました。「『いい人いない…』と嘆く婚活疲れのアナタに贈る本企画。アラサー女子には、既婚者が多い狭い市場の年上狙いより、素直な年下くんの方が有望!」と、萌え袖大好き34歳をバッサリ。しかし……「基本、素直だが時々見栄を張ったりする(しかもバレバレ)」「男同士のバカ騒ぎがやっぱり気楽で楽しい」「まだまだマンガやゲームが大好き」「年上の女のコはエロいって思ってる」など、「年下カレのトリセツ」として挙げられる特徴からは嫌な予感しかしません。
さらに「年下メンズ&年下カレがいる女のコに聞きました!」に出てくる、“ダチ最高バカな俺たち最高ワンピース最高”という「少年ジャンプ」(集英社)思想賛美と、それに巻き込まれつつ「男ってしょうがないわねえ」と髪をかきあげる木の実ナナシンドローム! なんじゃこりゃ!
総合すると年下男子とうまく付き合うには、男の遊びに理解を示し、男の友達関係を大切にし、がんばったらたくさん褒めてお会計を出すこと。つらい、つらいですね。「すべては貴女のがんばり次第」と喉元にナイフを突きつけられてる気分です。それにしてもまぁ、男のネガティブキャンペーンやらせたら「CLASSY.」の右に出る雑誌はありませんね!
萌え袖を礼賛する三十路男とジャンプマインド抜け切らぬ年下男子。この人たちに、オシャレスウェットと部屋着スウェットの違いがわかるのでしょうか。“こなれ”の中に忍ばせた上品さや女らしさに気づくのでしょうか。一向にこなれない女とベタしか理解できない男、お互いオシャレという高望みはやめて、もう一度、伝統の白ワンピに戻るのが最善の道だと思うのですが……。
(西澤千央)