萌え袖大好きorジャンプマインドな男子に、「CLASSY.」のこなれファッション通じず!
このところ、毎号特集でカジュアルを啓蒙するものの読者は一向にこなれないというシュールなコントを繰り広げている「CLASSY.」(光文社)。最近ではこのカジュアル禅問答がクセになってきてしまいました。しかし前号レビューでお伝えしたように、今月は若干方向性を変えてきたようです。題して「2014年春のオシャレ新基準『楽ちんキレイ』を手に入れよう!」。キャッチには「どんなにカジュアルでも上品さと女らしさは忘れません」とあります。前号ではユニクロやGAPという、オシャレでない人が手を出すと非常に危険な、いわば禁断の果実を供した「CLASSY.」。今号ではさらに「楽ちんでキレイでしかも女らしい」という甘言でコンサバ読者たちを翻弄しようというのでしょうか。あの子たちにあんまり難しいこと言わないで! ただただモテる服をお願いします!
<トピックス>
◎特集 2014年春のオシャレ新基準「楽ちんキレイ」を手に入れよう!
◎本当はコワイ!? 美容の話
◎もし私に「年下カレ」ができたら…
■萌え袖好きな男が、ファッションの細かい違いに気づくか?
「CLASSY.」において、ファッションは思想や文脈を一切持ちません。「寒いからヒートテックを着る」と同じ感覚で、モテたいから結婚したいから男ウケする服を着ます。そこには一点の曇りもありません。そういった意味ではオシャレになりたいとか、流行に敏感でありたいとか、センスを磨きたいとかは大して考えていないように思います。
楽な服を着たいのはやまやまだけど、一番恐ろしいのは男性陣に楽してると気付かれること。というわけで、特集の山場はこちらでしょう。「『楽ちんだけどモテる』にはコツがいる」。リードにも「楽ちんカジュアルは魅力的だけど、一番心配なのは彼に『手抜きをしている』って思われること。ほんの少しの違いで、男のコの『ヘルシーで可愛い!』は『…普段着すぎない?』に変わります。このパートでは、彼らのツボをしっかり押さえた“モテカジュアル”のコツを公開しちゃいます」とあるように、人気のカジュアルアイテムのどんなところが男心をくすぐるのか、コメントとともに紹介しています。
例えばストレッチタイトは「やっぱり体のラインが出るタイトスカートは、女のコらしくて素敵ですね。カジュアルな素材なら、セクシーになりすぎずでお好みです」(30歳・広告代理店勤務)、ただのTシャツにも「ポニーテールは時代を超えて愛される最強モテヘア。シンプルなゆるTを着た女のコが髪を結ぶ仕草は、男なら誰でも見とれてしまうはず」(27歳・医療関係勤務)と、もはや完全にTシャツ関係なし。ポニーテールと並ぶ男好きアイコン、ニットキャップには「こんなコとなら素敵な未来が描けそう」(29歳・会社経営)、マキシスカートに至っては「本命の彼女には、いやらしさのない女らしさが必要です」(30歳・商社勤務)などなど、“いやらしさのない女らしさ”って、ラップか!!
これは久々に出た「CLASSY.」のお家芸! “みんな~、男のコの意見をちゃんと聞いて!”と見せかけて、くっだらないことしか言わない男という生き物の晒しタイム。「カップスープのCM風の、ちょっと袖長めのパーカースタイルが最高に可愛い」(34歳・マスコミ勤務)とか、恥ずかしげもなく言えてしまう男たちを容赦無く晒す、ドS女性誌「CLASSY.」。しかし「CLASSY.」読者たちが結婚したいのは、34にもなって「袖から指先だけ出して両手でマグカップを持ってフーフー言ってる女ってカワイイ」と言っちゃう男、というのもまた事実。「CLASSY.」は、彼女たちにメッセージを送っているのかもしれません。大体こんなもんだから、そんなにがんばんなくても大丈夫たよ、と。