山中登志子の【脱“外見&恋愛”オンチ】

女は見た目! 「美の格差社会」を生きる上で、ブスや外見オンチが“顔”で生きるには

2014/03/23 16:00
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 この世の中、女性は2つに分けられる。それは、きれいな人とそうでない人。「美の格差社会」を生きていく上で、こんなにも大事な“事実”を学校や家庭では教えてなんかくれない。

外見オンチ応援カウンセラーの「脱・恋愛オンチ」”の連載中断から5年。わたしが言う「外見オンチ」とは「きれいな人とそうでない人」のうち「そうでない人」のこと……。明るい引きこもりを続けていたこの数年間、“外見オンチ応援カンセラー”として、自分の顔の行く末、劣化&若返りをあれこれ、あれこれ日夜、考え続けていた。

 大塚美容整形外科でカウンセリングを受けたのが2008年春。わたしの「変わった」顔を小さくするためのあごと鼻の手術、顔にメスを入れるのに、トータル164万3,250円也! この小顔“見積もり”代金(当時の値段)に、ヒアルロン酸注射、ほくろ取りなどを加えたら200万円だよ。う~~む、これには笑えなかったよ……。

 何よりもわたしは「痛い」のが嫌いだ! 痛いとわかっているのに、新たな「美」のため働いて稼ぐのなんて嫌だ! かといって、“毒婦”と言われている木嶋佳苗被告のように、男に貢がせるほどの度胸やテクニックもないし……。

 なのに、なのに!


 自著『天然ブスと人工美人 どちらを選びますか?』(光文社)でも書いたけれど、「天然ブスがいい!」という男どもはいなかった。男は、とにかく美人が好き。好みのマジョリティは何といっても「美しい」ことなのだ。

■整形はアリなのかナシなのか?

 しかし、その男どもに「人工美人との間に子どもができたら、子どもの顔は違うじゃない」といった現実的話をすると顔色が曇る。あの喜多嶋舞と大沢樹生の長男を巡っての遺伝子騒動を見ても、自分の遺伝子、子どもの遺伝子が気になるものなのだ。

 女性も、その美は天然か? 人工か? 芸能人の美容整形話など大好きだ。わたしもネットで出回っている整形前後の画像をついチェックしてしまう。あのキレイさはラクして得たんじゃないか~~!! ズルしてるんじゃないか……なんてことが気になる。だから、歌姫・あゆの顔の“変化”をあれこれ、わたしも追っかけてきた。

 09年、美容整形の女王・中村うさぎさんと週刊誌上で、対談する機会があった。うさぎさんに会ったときの感想は「痛いなあ」だ。顔やからだにメスを入れる実際的「痛さ」、変化をどこまで楽しめるのかわからない「痛さ」といったところだ。わたしがそう感じたのだから、噛み合ったとは言えないトホホな対談だった。わたしも同じく体験主義タイプだが、目指すベクトルが違うことがわかって、ますますカネも使わず、外的力に頼らず、顔を変えることに意識が目覚めてしまった。


 生死を彷徨って、今年復帰されたうさぎさん。うさぎコラムのファン&美容整形完全否定派でもないわたしは、かつて「奥菜恵」顔を目指して整形したうさぎさんが、次は誰の顔を目指すのかがちょっと楽しみ。

 わたしの「変わった」顔のことに興味を持ってもらい、12年に日本テレビ系の『ザ!世界仰天ニュース』に出演した。視聴率も13%くらいあったとか! その時、きれいな人組のシェリーが「(きれいでない女性【注:わたしのこと】は)街中ですれ違ったとき、(人から)パッと見られることはすごく気になる」と、他人の目がつい気になってしまう「外見オンチ」をいたわるようなコメントをしてくれた。今年1月に入籍したシェリーは、旦那と4年前に出会って付き合い始めたということだから、コメントしてくれた頃なんて超ラブラブだったんだよな……。

『一つ覚えて三つ忘れる中高年 (PHP文庫)』