サイゾーウーマンコラム大島の妊活休業を支持する理由 コラム 深澤真紀の「うまないうーまん」第12回 森三中・大島美幸の妊活休業、気負いのなさ・冷静さこそ支持したい 2014/03/07 17:00 深澤真紀の「うまないうーまん」 イラスト:小野ほりでい 森三中の大島美幸(34歳)が、「妊活」のために休業することを発表し、話題になっている。 5月のレギュラー番組『世界の果てまでイッテQ!』(日本テレビ系)の収録を最後に休業し、休業中は雑誌の連載、継続中のCM撮影、主演映画のプロモーション活動だけ行うのだという。大島は、2002年に人気放送作家の鈴木おさむと交際0日で結婚し、その後は鈴木が『ブスの瞳に恋してる』(マガジンハウス)というエッセイで夫婦生活を綴るとベストセラーになり、メンバーの村上知子主演でドラマ化もされた(鈴木役は稲垣吾郎が演じた)。2人は「むーたん」「みーたん」と呼び合うなど仲むつまじく、おしどり夫婦として知られるのだが、大島にはかつて流産経験もあることから、今回の決断になったのだという。村上も2月から産休に入っているため、独身の黒沢かずこが1人で活動することとなったりと、この「妊活で休業」という決断には、さまざまな反響があった。 森三中は、今の女芸人ブームの中心を担うグループの1つである。その中でも、“ケツを出して”笑いをとれる女芸人である大島は貴重な存在だ。それ以前の女芸人では、『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!!』(日本テレビ系)の「山崎邦正 VS モリマン」対決企画で、山崎邦正(現・月亭方正)と“ケツを出す”こともいとわず戦ったモリマンのホルスタイン・モリ夫がいたくらいだった。男芸人たちは、「女芸人は結局ケツを出せないから面白くない」と言い続けていたのだが(ビートたけしや松本人志もそう言っていた)、それを裏切ったわけである。しかも夫の鈴木が「女でありながらケツを出して笑いをとれる大島を芸人として尊敬している」ことも、多くの女性芸人から「理想の女芸人」と思われる理由である。 大島はもともとのマニアック芸人の枠には収まらずに、お茶の間受けもよく、日本テレビ系の『24時間テレビ 愛は地球を救う』でも24時間マラソンのランナーに起用されたりと、昨年のテレビ出演本数は406番組にものぼっている。しかしこれはかなりの激務である。さらに『世界の果てまでイッテQ!』など体を張る企画を担当することが多く、「このままでは妊娠できない」「妊娠できても、それを維持することは難しい」と考えたのも、当然のことなのかもしれない。 妊活休業の記者会見でも、「(これまで)体の負担を減らすために事務所に相談したか?」と問われ、「それはしてない。(体を張ることは)自分のやりたいこと。やりたいことは100%やりたい。『ちょっとでも減らしてください』というのは違うかなと。5月までは全力で体を張っていきます!」と答え、“体を張る”仕事と「妊活」は分けて考えていることを明らかにした。大島のような働き方の場合は、こういう考え方もあるのだと思う。 12次のページ Amazon 春夏秋冬 いいヨメ 毎日ごはん (ヨシモトブックス) 関連記事 【第11回】遺伝子にこだわる向井亜紀と、姓を残したい野田聖子。不妊治療で浮き彫りになる法の難しさ【第10回】「血縁こそ家族」思想が壁となる、里親と養子縁組の未周知問題【第9回】大沢・喜多嶋問題から考える、「生物的な親」と「法律上の親」をめぐる問題【第8回】結婚情報誌は教えてくれない、婚氏続称の落とし穴や「300日問題」の無戸籍児【第7回】「入籍」は間違い、正しい「戸籍と婚姻」と「夫婦別姓」についても知ろう!