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【ジャニーズ・ワールド】

「カズ、きょうも朝だな」田原俊彦が振り返る、三浦知良との“イタリアンマフィア”ごっこの日々

2014/02/16 15:00
『職業=田原俊彦』(KKロングセラーズ出版)

過去に書かれたジャニーズタレントのタレント本・暴露本をガイドブックとして、ジャニーズ事務所の、そしてジャニー喜多川氏の世界「ジャニーズ・ワールド」を旅してみたい。ジャニーズ・ワールドの今回のガイドブックは、『職業=田原俊彦』(2009年刊、KKロングセラーズ出版)。

 『職業=田原俊彦』。タイトルだけでもう面白い。読み進めていても、「生き方も含めて、田原俊彦の代わりはこの世には誰もいない」「その田原俊彦をもっと田原俊彦にすることが、今の僕の一番の使命であり義務だと思っている」という語りが続き、「もっと田原俊彦にする」ってどうなっちゃうんだろう?  とツッコミながらも気になってしまう。でもなぜだろう、「『職業=田原俊彦』の自意識を持った『天職=田原俊彦』でありたいと思う」と目標も掲げるトシちゃんに、どこかカッコよさも漂う。

 その突き抜けたカッコよさが、本書には散りばめられている。例えば、小学3年生で経験したファーストキスは、好きな女子に無理やりトシちゃんからキスをし、その言い訳が「おれはアメリカ人だから挨拶みたいなもんだ」。意味不明だ。また、バブル時代を回想し、「毎日が『麻布十番祭り以上のリオのカーニバル』という感じだった」と例えてみせる。いずれも「トシちゃんだから」で大丈夫だ。

 バブルの頃は、週のほとんどの夜を六本木で過ごし、ディスコとクラブをはしごしていたという。「あの頃が一番はじけていて、その時の最高の気分は今でも僕の心と体の芯にしっかりと残っている。いい思い出だ」と振り返るだけあり、確かにバブルや六本木がトシちゃんにはよく似合う。また、トシちゃんの近年を語るには、親友のカズ=三浦知良の存在を欠くことはできないだろう。当然のごとく、本書にもそれなりのスペースがカズについて割かれている。

■盟友・カズとのバブルな夜遊び流儀

 「カズは友達というより弟分と言った方が正しいかもしれない」と言うだけあり、カズもまた、バブルや六本木の香りがよく似合う。そんな2人が会った時は、とことん壊れるように遊びまくり、カラオケに行けば「30人くらいが集まって一番大きなカラオケルームを貸し切りにして大騒ぎ」だの「飲むのはオンリーテキーラだ」という状態だという。“オンリーテキーラ”って……楽しそうだな、トシ&カズ。しかし盛り上がりすぎてしまい、「めちゃくちゃに酔っ払って倒れるヤツ、寝てしまうヤツ、トイレから出てこないヤツがいて、そりゃあ大変なことになっている」と、傍から見たら惨事である。

 さて、そんな宴が朝まで続いた後に、トシ&カズでこんなやり取りがされたという。

「カズ、きょうも朝だな」
「女性陣、ひとりも残っていませんね」
「結局、残ったのはファミリーだけか」
「いつもと同じですね」

 “ファミリー”……。ファッションもややそれ寄りだが、やはりマフィアみたいだ。しかも2人には設定まであるという。「僕はラッキー・トシ・ルチアーノを名乗っている。カズはフランク・カズ・コステロを名乗っている」とのことで、有名なマフィアの名前をもじっているようだ。

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