「リンネル」女子の自己肯定を強めてくれる、魔法の言葉「手仕事」
「リンネル」3月号(宝島社)の巻頭特集は「少しだけ新しい私に 旬に着こなす定番おしゃれ」。ボーダートップスや白シャツ、トレンチコートなど、正真正銘ド定番なアイテムの着こなしをひねり一切ナシで伝えています。「1年前も同じコーディネートが載ってなかったっけ?」と既視感アリアリ、トレンド感ナシナシなのですが、定番を愛するリンネル女子にとって「流行」は「萩原流行」ぐらいの意味しかないんでしょうね。定番が一番。そこにほんの少しの新しさがあれば充分なんです。
この感覚、リンネル女子が大好きな「梅仕事」「家仕事」「手仕事」に通じているように思います。季節が変われば梅を干し、天気がよければおうちのメンテ、雨が降ればほっこり手芸。うちのリンネル女子(母・68歳)も昔からずーっとそんな生活してます。昭和の時代から変わらないお仕事に、ちょっとした洗練と工夫を盛り込む、それが「リンネル」の至上命題。今月号でも「ていねいな冬の家仕事」と題して、セーターに肘あてを縫いつけたり、手作り味噌を仕込んだりする(完成まで10カ月かかる)企画があります。
おしゃれも同じ。ずっと大切に着ているトレンチコートをちょっとだけセンスアップさせてみる、なんの変哲もないボーダーの着こなしを少し変えてみる。そこに価値を置いているのがリンネル女子なのです。いっそ「服仕事」という言葉を作ったほうがしっくりくるように思います。
<トピック>
◎少しだけ新しい私に 旬に着こなす定番おしゃれ
◎新年にふさわしい 自分だけのオーダー&セミオーダーアイテム
◎新生活を迎えるあなたへ 宝物になる贈り物
■萌えるオーダー&セミオーダー
てな具合で、読者が洋服に大きな変化を求めていないのですから、毎月ファッションの企画を立てるのはたいへんです。どうしたってマンネリ化は避けられません。しかし、今月号はちょっと趣向の違う企画がありました。まずひとつは、「自分だけのオーダー&セミオーダーアイテム」。
前述のように、「○○仕事」が大好きな、ゆるふわ仕事人のリンネル女子は、自分の仕事だけでなく他人の仕事も大好きです。他人のクリエイションを享受することで、自分もクリエイトした気になるんでしょうね。窯元巡りの企画が時々組まれているのも、そういうことなのでしょう。
オーダーは、基本的にハンドメイドのオンリーワンな商品です。「(ミナ ペルホネンのリメイクデニムは)自分だけのお気に入りを詰め込んだスペシャル感が素敵」「お気に入りのワンピースの色違いがほしくて、顔なじみのクリーニング屋さんに仕立ててもらいました」「仕事柄、エプロンをすることが多いので、自分好みのものをデザインして友人であり、仕立て屋さんでもあるm+さんにお願いしました」……と、リンネル女子の心をキュンキュン言わせています。お仕立てしてくれる顔なじみや友人がいるという点にも、思わずリンネル萌えしちゃいますね。