「深田恭子は男ウケする顔に整形した?」美容整形医・マッド高梨が女性の「なりたい顔」を分析
――整形といえば、今年、元AKB48の板野友美のアゴが話題になりました。
高梨 板野友美は、ヒアルロン酸を注射していると思います。理想のアゴに近づけるために、ヒアルロン酸をいっぱい入れると、表情によって徐々に下がってきてしまうんです。
――よく「美容整形業界では板野友美が人気」という話も聞きますが。
高梨 板野友美の顔は、方法論として簡単なんです。アゴと鼻に注射して、あとは目さえでかくすれば、割に似たような顔になれるので、人気なのかもしれませんね。
――先生から見て、「整形で顔が崩れてきちゃっている」という芸能人はいますか?
高梨 一時的にはいっぱいいますよ。芸能人の場合は、周囲が指摘してくれるから、そこまでひどいことにはなりません。ただ、有名になる前に、自分の感覚だけでしてしまったから、トンデモないものができあがってしまったと感じる芸能人もいます。
別の意味で心配になるといえば、今年“整形モンスター”として話題になったヴァニラ。彼女は「バービー人形」になりたいと言っていますが、これはつまり、自分のアイデンティティがないということ。何か精神的な問題が絡んでいる気がします。普通の人は、自分を否定しづらいから、ある程度肯定しつつ、自分のベースからどういう風にしたいかを考えるものです。
――「この芸能人の顔になりたい!」と指名してくる患者さんは少ないんですか?
高梨 特にここ10年ほどで、美容整形の情報がオープンになってきたので、無謀なことを言う人は減りました。人それぞれ顔は違いますが、言ってしまえばそれは、その人に期待しうる性格が違うというだけなんです。しかも、顔と本来の性格が必ずしも一致するわけじゃない。
美容整形外科医である僕らは、それをわかった上で、患者さんの「こう見られたい」という顔を、その人に合うか合わないかを考えて作っています。そんな“女性と同じ側に立つ詐欺師”の立場から言うと、整形とは今の自分のイメージが土台にあって、こう見せるんだったらどうするかを作っていくだけのものでしかない。イメージの方向性をチェンジするというより、欠点を消していき、総合点を上げるためのものと考えています。そういうものでしかないんですよ、整形って。
――なりたい芸能人の顔があるならば、まず、自分がどんなイメージを持つ顔なのかを知ることから始めた方よさそうですね。高梨先生、どうもありがとうございました。
(文責編集部)
高梨真教(たかなし・まさのり)
タカナシクリニック院長。形成・美容外科医。患者に、医療関係者、美容関係者、芸能関係者が多く、業界内のプロに大きな信頼を寄せられている。作家・中村うさぎの整形手術を担当したことでも話題に。著書に『マッド高梨の美容整形講座』(マガジンハウス)など。