カルチャー
[女性誌速攻レビュー]「リンネル」1月号

なんでもないことが幸せ、「リンネル」に張り巡らされたTHE 虎舞竜スピリット

2013/12/11 21:00

タイトルだけは大げさですが……

 「発表! 冬の家事が楽しくなる道具を厳選! “家仕事道具”大賞」という企画があります。おすすめの家電や家事のアイデアグッズを紹介するページなのですが、「家仕事道具」と呼ぶところがポイントです。「家事」という語も使ってはいますが、現代において「家事」はどちらかというとルーティンワークのイメージがつきまとっているように思われます。それを「家仕事」というと、積極的でクリエイティビティあふれるように。「リンネル」は「家仕事」だけでなく「梅仕事」や「手仕事」という言葉が好き。「仕事」と付いていると、どんなことでも職人技に昇華されるんですよね。中島誠之助が「いい仕事してますね~」と誉めてくれそうです。

 企画自体は無難路線。例えば「保温調理器」は3つのメーカーの製品を比較しているのですが、3つにそれぞれ「お肉がほぐれるで賞」「野菜がおいしいで賞」「小さめサイズがいいで賞」という賞を与えて丸くおさめています。ハンディ・フードプロセッサーは4つのメーカーの製品を比較しているのですが、それぞれ「使いこなしてみたいで賞」「パワフル&速いで賞」「技ありアタッチメントで賞」「どこでも使えるで賞」としております。ガチで比較して順位をつけるようなことは、「リンネル」の性格上しないのです。じゃ、タイトルにある「発表!」「厳選!」「大賞」というのは何なのかって? 疑問に思う方が野暮です。

 カドなし、ヤマなし、淡々と。これは「リンネル」すべてにおいて共通している精神です。散歩や読書、野菜を食べるという何でもない日常の行為を理想形のように格上げしてみたり、多かれ少なかれ誰でもしているような一般の家事を「家仕事」と呼んで趣向を変えてみたり。つまり、なんでもないようなことを幸せだと思うということ。「ロード」(THE 虎舞竜)が訴えていることこそが「リンネル」スピリットなんです。

 モテたりキャリアアップしたり結婚したり。ともすると私たちはそういう変化や刺激ばかり求めがち。ファッションにも成果を求めがち。でも、本当の幸せは変化の中にあるわけじゃない、と「リンネル」が教えてくれているように思いました。お散歩に幸せがある。まさにロードです。「夫を断捨離したい」なんつってる、うちのリンネル女子(母・68歳)はまだまだですね。
(亀井百合子)

最終更新:2013/12/11 21:00
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