サイゾーウーマンカルチャーインタビュー岩佐真悠子に聞いた、セックスと処女 カルチャー 映画『受難』インタビュー 「処女って不幸なことですか?」岩佐真悠子に聞いた、セックスと女の幸せ 2013/12/07 19:00 インタビュー 修道院に生まれ育ち、男女の性にひとり悩みながら毎日を送る、清らかな乙女フランチェス子。まだ男性を知らない彼女の「あそこ」が、ある日突然しゃべり出した! おそるおそる自分のあそこを覗いてみると、そこには男の顔をした人面瘡が……。フランチェス子を罵り続けるあそこに、フランチェス子は「古賀さん」と名前をつけ、共同生活を送ることになる。そんな奇妙奇天烈な物語、姫野カオルコの小説『受難』(文藝春秋)がこのたび映画化される。直木賞候補にもなったこの話題作のヒロイン・フランチェス子役に抜擢されたのは岩佐真悠子。普段の快活な彼女からは想像もできない、1本ネジが抜けているようなマイペースな聖女を演じている。果たして、処女であることは女性にとって不幸なことなのだろうか? ――この役の話を聞いた時は悩まれました? 岩佐真悠子氏(以下、岩佐) 最初は「私はやらない」って言いました。まず私、処女っぽくないでしょって(笑)。それに人面瘡をどう表現するんだろう、映像化したら安っぽい感じになるんじゃないのかなって。脚本を読んで面白いとは思うけど、そんな作品で脱ぐのは嫌だなっていうのが最初の素直な気持ちでした。 ――そうだったんですね。それがなぜ出演することに? 岩佐 1回お断りしたんですけど、吉田(良子)監督に会ってみることになって。その時にいろいろお話ししたり、私の疑問点を聞いたんです。それが解決されたのと、監督がふわっとした方だったんですよ。「ヌードはいやらしく撮りません。女性が見てもいいと思えるものにします」っておっしゃっていたので、それならと。原作の姫野カオルコさんも女性で、監督も女性で、カメラマンも女性なんですよ。女性が多い現場で、みんな平然とオ××コだのなんだのって言っていたので不思議でしたね。セリフにたくさん出てくるので、私も普通に言ってました。 ――自分と正反対のフランチェス子を、どう探っていきましたか。 岩佐 いろいろ試してみる中で監督が、「上を見て、力を抜いて、ちょっと抜けた感じでやってみて」って。ふにゃっと力が抜けた、普段の自分とは違うトーンの声でしゃべりました。おかげで毎朝、素の自分がどんな感じでしゃべってたのかがわからなくなりましたね(笑)。 ――処女だったフランチェス子にとっての大きな出来事、初体験の場面があります。 岩佐 監督やカメラマンが女性ということもあって、いろいろと気遣っていただいたんです。「こういうふうに撮るから大丈夫ですよ」とか、事前に監督とコミュニケーションをしっかり取れていたので、本番ではなんの不安もなく演じられましたね。女性にとってセックスは、いつ経験するかは問題じゃないと思うんです。それよりも、好きな人とすることが大事。それはきっと、女の目覚め第二段階みたいなものなんじゃないかな。 ――全裸で深夜の町を走るシーンも衝撃的でした。 岩佐 寒かった! 2月末か3月頭ぐらいだったので、まだ寒かったんです。走ってる間はまだいいんですけど、立ち止まったらガチガチ震えてましたもん。カメラは軽トラックに乗って結構なスピードを出してるから、必死で追いかけなきゃいけなくて。しかも私は裸足なので、普段走るのとは違う筋肉を使っていたのか、ふくらはぎの下の方がすごい痛いんですよ。正直、裸がどうとかいうよりも、寒い、痛いという感じ。裸で走るなんて人生初だし、おそらく2度とないだろうと思いながらやってました。 ――フランチェス子は、人面瘡の古賀さんから「おまえは女らしくない」とか散々な言われようでしたね。 岩佐 ずる賢かったり打算的な女子の方が幸せになれるのに、そういう部分がないからおまえはダメなんだ、って言われてるのかなって思ってましたね。もっとガツガツしろって。古賀さんの人面瘡としての存在意義は、ダメ女を成長させることなんじゃないかなと、私は思います。普通の女性ならいろんな恋愛経験をしていろいろ知っていくけど、フランチェス子にはそれがなかった。だから俺が教えてやっているんだっていうのが古賀さんな気がします。 ――でも、グラビアアイドル時代の岩佐さんは、打算的な女子どころか男性に媚びないイメージがありました。 岩佐 男に媚びるの、ファンに媚びるの大っ嫌いです(笑)。私は兄が2人いて、お姫様状態で生きてきたんです。男って媚びるものじゃなく跪いてくれるものだと、小さい頃から思ってたんですよ。男に媚びてまで求められるぐらいだったら、男なんていらないって。すごい生意気な子どもですよね(笑)。 ――いろんな見方ができる作品だと思うんですが、岩佐さんにとってはどんなメッセージを持った作品だと思いますか。 岩佐 原作の姫野さんや監督にはそれぞれの考えがあるだろうけど、私が思うのは、自分の近くにあるものは決して当たり前ではないってこと。愛もそうですよね。私からすると、こんなになにもないフランチェス子って、異世界の住人のよう。今の私はいろんな出会いがあってラッキーなんだなって、感謝するようになりました。もちろん平穏に生きていくことが幸せな人もいるし、それもいいと思います。いろんな形の幸せがあるし、いろんな形の愛がある。劇中にいろんなカップルが出てくるシーンがあるんですが、あれも「愛に決まりはない」っていうお気に入りのシーンなんです。セリフも面白いので、隅々まで楽しんでもらえたらうれしいです。 岩佐真悠子(いわさ・まゆこ) 1987年2月24日生まれ。2003年、スカウトされ芸能界入り。同年、講談社『ミスマガジン』グランプリに選ばれ、グラビアアイドルとしての活動を開始。04年、ゴールデン・アロー賞グラフ賞受賞。04年、ドラマ『Deep Love~アユの物語~』(テレビ東京系)で女優デビュー作ながら初主演を果たす。『花ざかりの君たちへ~イケメン♂パラダイス~』『のだめカンタービレ』(いずれもフジテレビ系)や映画『スウィングガールズ』などの話題作に出演し、最近は『009ノ1 THE END OF THE BEGINNING』の主演も務めた。来年2月26日からCBGKシブゲキ!!にて舞台『サイコメトラーEIJI~時計仕掛けのリンゴ』で志摩役が決定。 『受難』 12月7日よりロードショー 原作/姫野カオルコ『受難』(文春文庫) 監督・脚本/吉田良子 音楽/大友良英 出演/岩佐真悠子 淵上泰史 伊藤久美子 古舘寛治 ・公式サイト 最終更新:2013/12/07 19:00 Amazon 『岩佐真悠子 in 受難 [DVD]』 媚びるならムツゴロウさんレベルで全生物に媚びて! 関連記事 友達同士でも語りにくい......女性最大のタブー"処女"の生態に迫る!「正直、欲情したり?」処女のエロ漫画家の実態に、ヤリマン漫画家が迫る!ヒロイン=非処女が前提になった、少女漫画における「セックス」の意味「愛しているけど許さない」遠野なぎこが絶望の果てに見いだした、実母との距離「オバサンはいつも惨めな気持ち」末永史が描く中高年の性愛と尊厳 次の記事 ブラジャー洗濯ボールプレゼント >